懐かしく思うこと
40代半ば。男性。
職業:編集者
俺の両親は、10年前に事故で亡くなった。
即死だったようだ。
子供の頃、家族で住んでいた家は、既に取り壊していた。
現在は、2階建てのアパートが建てられている。
思い出が詰まった家を取り壊すことをお願いした時は、人生で1番大きな決断だった。
けれど今でも、我が家があったところに足を運んでば、懐かしく思っている。
もう1つの物語
私は1度、生きることを諦めたことがあった。
生きる意味が分からなかった。
もう、生きることはやめようの考えた時。
私は、こう思った。
生きてる意味は自分で作るものだ。
生きてる上で見つけるものだ、と。
こう考えた私は、第2の人生を歩むため、夢を見つけることが出来た。
そして、めでたく宝物を2つ授かることが出来た。
暗がりの中で
僕はいつも、暗くて寒い檻に入っていた。
お姉ちゃんは「外は怖いところなのよ」と言っていたけど、それが嘘だということはすぐにわかった。
それから5年。
未だに僕は、暗くて寒い檻に閉じ込められている。
きっと僕には、"自由"のふた文字はないのだろう。
紅茶の香り
僕の初恋の人は、紅茶が好きだった。
財閥の御令嬢というこもあって、コーヒーより紅茶を好んで飲んでいる、と聞いた。
一方の僕は、母子家庭で貧しい。
三人兄弟の長男である僕は、高校に進学したタイミングで、すぐさまバイトを始めた。ただ母を助けようという、それ一心だった。
それが関係しているのか、紅茶が好きな彼女に、一方的な好意を抱いている。
愛言葉
「妃、このことは、2人だけの"ねーしょ"だかんな!」
その言葉は、幼馴染である絢斗の口癖だった。
耳にタコができるほど、口酸っぱく言われていたけれど、もう覚えていない。
きっとこれからも、思い出すことはないだろうと思っていた。
けれどこの瞬間、それをはっきりと思い出した。
絢斗が言っていた、あの言葉を。
「俺が世界一の大物になったら、お前を迎えにいく。それまで、待ってろよ! 妃!」