紅林眞叶

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11/17/2024, 11:29:00 AM

冬になったら

冬になったら、世界は白い毛布に包まれたように静かになる。冷たい空気が頬を刺すたびに、冬の到来を肌で感じる。木々は葉を落とし、裸の枝が空に向かって伸びる姿はどこか力強く、美しい。吐く息が白くなり、厚手のコートに身を包みながら、雪道を歩く音が心地よく響く。

冬になったら、家の中では暖かい飲み物を片手に、本を読む時間が増える。こたつの中で家族と過ごす時間や、窓の外の雪景色を眺めるひとときは、何にも代えがたい幸せだ。

冬になったら、厳しい寒さの中に潜む温かさや、自然の美しさに気づくことができる。冬の冷たさは、心を穏やかにし、ゆっくりと流れる時間を感じさせてくれる特別な季節だ。

11/2/2024, 10:15:10 AM

眠りにつく前に


あなたのことが好きだから、お別れ。


だけどね。


きっと昨日の私も、今日の私も、明日の私も、何度だってあなたに恋する運命なんだ。


鍵のかかった私の記憶。その扉を開くのは、いつだってあなただけなんだ。

7/26/2023, 9:42:31 AM

鳥かご


所詮、籠の中の鳥だ。


籠の中で小さな反抗するくらいが、関の山なんだよ

7/21/2023, 6:57:18 AM

すべてを受け入れたような酒井様の表情は穏やかで、ただその時が来るのを待っていた。

「願わくば、天下人となられた家康様のお姿をこの目に焼き付けたかった。もっと欲を言うならば、家康様と隠月殿のややを…」

「ふざけるな……!勝手に死ぬなんて許さない」

「その命令は聞けません」

柔らかく微笑んだ酒井様が、家康様にそっと手を伸ばす。

まるでいとし子に触れるかのように家康様の頭を優しく、優しく撫でた。

「あなたはもう大丈夫。決して、一人ではないのですから」

「……勝手なことばかり言いやがって……」

「ほほ……老いぼれとはそういうものです。…隠月殿、家康様のことをどうかよろしくお願いいたします」

「はい…」

酒井様は安心したように笑みを深め、もう一度家康様を見つめた。

「あなた様は前に進んでください。死にゆく者のために、立ち止まったりしてはいけませんよ」

「当たり前だろ」

「そう……それでいいのです…………」

「酒井様…っ」

「……」

障子越しに差し込む茜色の夕陽が、微笑みを浮かべたままの酒井様を照らし出す。

徳川に、家康様に一生を捧げた忠臣は、主に見守られながら畳の上で安らかに生涯を閉じた。

5/2/2023, 7:16:05 AM

カラフル


目覚めた心を、何色に染めてみようかな

今日は何色に染めてみようかな

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