友達
今私が泣いていてもあなたの記憶の中では
どうかあなたと同じ笑顔できっと思い出してね
ああ、忘れないよ
また会えるまで
心の奥灯りに気づく
行かないで
あの人との会話が
ちくりと胸に刺さったまま
もう何も考えることもできなくなってしまった
あの人はなぜ、私の前から消えてしまったの……?
どこまでも続く青い空
数年前に起きた、大規模な地震。
その地震で、私の家族は亡くなった。
月命日には必ず墓参りをすることが、私には習慣付いていた。
空を見上げたら、そこは雲ひとつない青空が続いていた。
どこまでも続いている、この青い空。
今日も私は、この空を見上げている。
声が枯れるまで
私は叫び続けた。もう会うことのできない彼へ。
もうこの世に存在しない、大切な彼へ。
声が枯れるまで、叫び続けた。
声が枯れるまで、歌い続けた。
彼が大好きだった曲を。
私はひたすら歌い続けていたけど、もう哀しさがコップから出てしまった。
始まりはいつも
始まりはいつも、最悪。
私の家は、いわゆる転勤族。
父親の仕事の関係上、転校が多かった。
幼稚園で2回。
小学校で4回。
中学で1回。
高校で2回。
大学では、学生寮を利用していたため、私自身に影響はなかったが、4年の間に3回転勤している。
研究職に就きたかった私は、大学院に進学。
大学院を出て、研究者に進んだは良いものの、職場での人間関係では、少しこじれていた気がする。
私は、2つ年上の人に食事に誘われた。
女性で研究職に就く人は多くない。
恐らく、仕事上での誘いなのではなく、プライベートであることは、すぐにわかった。
過去を振り返れば、学校が変わるたびに毎度自己紹介をしていたけど、二週間も経てばクラスの男子に告白されていた。
その度に、女子からの反感を買い、いじめを受けていた。でも、男子が庇うから、いじめはどんどんエスカレートしていった。
しかし、この職場にいる女性は私を含めて4人しかいない。学生時代のようなことは、数年経っても起きることはなく、むしろ「モテて羨ましい〜」と言われる始末である。
私は、始まりはいつも最悪だと思っていた。
けど、その気持ちは今日でおしまい。
扉を閉めて、鍵をかける。その鍵は、どこかに捨ててしまった。
だからこの扉は、生涯開かずの扉。
後悔はないよ。
だって、自分で決めたんだもん。