海月

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6/14/2025, 5:50:22 AM

君だけのメロディ


好きって言うのが
ちいさな頃からずっと怖かった

恋は、私が私じゃなくなるみたいで怖い
だからこれが恋だって言いたくなかった

でも、歩いてるだけで愛しいこれは
泣きそうに顔をくしゃっと歪めてしまうこれは
恋でしかないんだよね

君だけがいい
恋に恋してる訳じゃない

一緒にご飯を食べるのも
隣を歩くのも
通話をするのも
ぜんぶ君が良かった
君なら良かった

6/9/2025, 1:50:53 AM

君と歩いた道


ゆらゆら揺れる
暑い日に
ふたりで歩道橋を渡った

アスファルトの熱が
頬にぶつかって
わたしは顔が真っ赤になっていた

君はわたしに
今よりうんと優しく話しかけて
髪に触れて
可愛いと言う

今でも君を友達と思えないわたしは
まだ夏の暑さが
ちょっと痛い

時たま
夢に出てくるせいで
わたしはずっとあの夏

6/7/2025, 1:47:02 PM

夢見る少女のように


夢見ている
いつの日か王子様が迎えに来て
とびきり優しいキスで目覚める朝を

みんなはときどき
そんな人いないと
わたしをなじるけど
わたしはずっと夢見ていた

どうしても

ひとりが辛い夜がある
温もりが欲しい日だってある
月のない夜のことを
知らないくらいにお姫様じゃない
そんなにわたしはいつまでも子供じゃない
王子様はわたしが見つけたっていい

夢見る少女のままで
おとなになっていくこと
後悔してないから

4/7/2025, 7:34:03 AM

新しい地図

真っ白な地図を手に、途方に暮れる
今日まで
どうやって歩いていたのか
どうやって生きていたのか
分からなくなる

ひとりぼっちになると
黒い靄に攫われるように
何も話せなくなってしまって
時折
強がって鼻歌を歌ってみる僕のことも
嫌いになってしまう

しんしん冷めた空気に
瞼が開きづらくなる

いつの日かは
ありのままの貴方と出会って
桜色の染具で塗りつぶしてしまいたい
そんな春

10/5/2024, 7:53:32 AM

踊りませんか?


あなたばかりが 綺麗だった夜
あなただけが 光っていた夏

時々そうやって
子供みたいに笑うのが僕は好きだった。

目眩のネオンに照らされて
大人ぶって目を細めた貴方に
知らないフリして

猫なで声の彼女に
一緒に抜け出しちゃおうなんて
あなたみたいに
三日月みたいに
目を細めたんだった。


あなただって
ここ、通りかかる度、嫌な顔
してたくせにね

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