君だけのメロディ
好きって言うのが
ちいさな頃からずっと怖かった
恋は、私が私じゃなくなるみたいで怖い
だからこれが恋だって言いたくなかった
でも、歩いてるだけで愛しいこれは
泣きそうに顔をくしゃっと歪めてしまうこれは
恋でしかないんだよね
君だけがいい
恋に恋してる訳じゃない
一緒にご飯を食べるのも
隣を歩くのも
通話をするのも
ぜんぶ君が良かった
君なら良かった
君と歩いた道
ゆらゆら揺れる
暑い日に
ふたりで歩道橋を渡った
アスファルトの熱が
頬にぶつかって
わたしは顔が真っ赤になっていた
君はわたしに
今よりうんと優しく話しかけて
髪に触れて
可愛いと言う
今でも君を友達と思えないわたしは
まだ夏の暑さが
ちょっと痛い
時たま
夢に出てくるせいで
わたしはずっとあの夏
夢見る少女のように
夢見ている
いつの日か王子様が迎えに来て
とびきり優しいキスで目覚める朝を
みんなはときどき
そんな人いないと
わたしをなじるけど
わたしはずっと夢見ていた
どうしても
ひとりが辛い夜がある
温もりが欲しい日だってある
月のない夜のことを
知らないくらいにお姫様じゃない
そんなにわたしはいつまでも子供じゃない
王子様はわたしが見つけたっていい
夢見る少女のままで
おとなになっていくこと
後悔してないから
新しい地図
真っ白な地図を手に、途方に暮れる
今日まで
どうやって歩いていたのか
どうやって生きていたのか
分からなくなる
ひとりぼっちになると
黒い靄に攫われるように
何も話せなくなってしまって
時折
強がって鼻歌を歌ってみる僕のことも
嫌いになってしまう
しんしん冷めた空気に
瞼が開きづらくなる
いつの日かは
ありのままの貴方と出会って
桜色の染具で塗りつぶしてしまいたい
そんな春
踊りませんか?
あなたばかりが 綺麗だった夜
あなただけが 光っていた夏
時々そうやって
子供みたいに笑うのが僕は好きだった。
目眩のネオンに照らされて
大人ぶって目を細めた貴方に
知らないフリして
猫なで声の彼女に
一緒に抜け出しちゃおうなんて
あなたみたいに
三日月みたいに
目を細めたんだった。
あなただって
ここ、通りかかる度、嫌な顔
してたくせにね