夢じゃない
朝起きて、夢で良かったと息を吐く瞬間がある。悪い夢を見るのは良い意味だとよく言うけど、どうしても未だに信じられない。
夢と現実の境目が曖昧な私は、目覚めたあと心臓のドクドクが中々引かないから辛くて嫌だった。
私が貴方に酷いことを言う夢をずっと覚えてる。一言一句、間違わないようにと何度も唱えて、心をちょっぴり痛めながら記憶する。星がチカチカ鼓動を早めたら、スマートフォンから聞こえる貴方の優しい声に、この夢を教えるために。
貴方にこんなことを言われたの、と私がいうと、貴方は決まって、そんな事絶対言わないよといってくれる。ずっと大切にするよと。ずっと、なんて嫌いな言葉だった。でも貴方は好きみたいだから、私も次第に好きになった。貴方は、ずっと、私とずっと一緒にいるつもりらしい。柄にもなく浮かれて、信じてしまうから恥ずかしい。恥ずかしくて嬉しい、独特な恋の耳鳴りはもうとっくに癖になってる。貴方の肩に頭を寄せた、あの瞬間でさえ愛しかった。
もう3日も経つのに。長い、恋の詩を語ってしまうみたいに。全てが、今は、目映いなんて。
8/8/2025, 4:48:58 PM