結之志希

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11/21/2023, 12:35:04 PM

『どうすればいいの?』


 こんな気持ち、抱えるのは初めてだった。
 どうしたらいいか、答えが出るはずもなくて。

 私は何回目かも分からない言葉を、ほとんど音にならない声で呟く。


「どうすればいいの……?」

11/9/2023, 2:41:29 PM

『脳裏』


 脳裏によぎる、あの人の姿。
 あの人の声。

 ……忘れない。

11/7/2023, 1:28:48 PM

『あなたとわたし』


 あなたとわたし、ふたりでひとりだったらよかったのにね。
 それだったら、あなたのかんがえること、なんでもわかったわ。

 いまだって……。

11/2/2023, 12:37:46 PM

『眠りにつく前に』


 今日、あったことを話そうか。

 家を出た時、お隣さんと一緒のタイミングでね。
 ぺこって、お互いに会釈したんだ。
 予想してなかったから、ちょっとドキッとしたな。

 それから、駅のホームで生徒手帳を落とした子がいて。
 拾って渡してあげたんだけど、凄く萎縮してたんだよね。
 私、怖そうに見えたのかな。
 ……そんなことないって? あはは、ありがとう。

 会社では……いつも通り。
 見慣れた顔ぶりで、仕事が忙しくて、ちょっと嫌なこともあって……。
 でも、同僚とお昼を食べた時は楽しかったな。

 帰りはね、会社の前の花壇に綺麗な花が咲いてることに気付いたの。
 前から視界には入ってたはずなんだけど、なんか、綺麗だって気付かなかったんだよね。
 君から連絡をもらって、君のことを考えていたからかな。

 ほら、昔のこと。
 学生の時にさ、野花を摘んで、花束をくれたじゃない?
 ……恥ずかしいから忘れてくれって?
 嫌だよ、私の大切な思い出だもの。

 あの時のこと思い出したからかな。
 色も鮮明で、胸を逸らすように花弁を張って、風に揺られている花がさ、凄く綺麗に見えたんだ。
 私も、君にあんな風に見られたいなって思ったの。

 ……うん、ありがとう。
 ふふっ……なんだか照れくさいね。
 ね、今日は抱きついて寝ていい?

 ……まだまだ話したいこと、沢山あるんだ。
 君の胸、あったかいから途中で寝ちゃうかもだけど……。
 ……うん、君の話も聞きたい。
 いっぱい話そうね。

10/25/2023, 9:22:07 AM

『行かないで』


 君の服を掴む手は、君を引き止める力にはならないの?
 私の頬を流れる涙は、君を引き止める力にはならないの?
 私の口からこぼれる、震えた「行かないで」の言葉は、君を引き止める力にはならないの?


「ごめんね。僕は行くよ」


 この手から、君がすり抜けていく。
 鉄の箱が、君を連れ去っていく。


「あぁぁぁぁぁ!」


 崩れ落ちた体が冷たい地面に受け止められる。
 大粒の涙が、途切れることのない涙が頬を伝っていく。
 君が離れてしまった今でも、私には……。

 “行かないで”と叫ぶことしかできない。

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