「愛を注いで」
君に愛を注ごうとしたけれど、
そもそも、愛って何だろう。
恋の言葉はいつも口にするけれど、
その意味が本当に分かるのは、
きっと君といる時だけ。
思っているだけじゃ足りないと知って、
勇気を出して言葉を伝えたけれど、
君の笑顔はそれだけで答えのように感じて、
言葉よりももっと深いところで繋がっている気がした。
でも、愛を注ぐっていうのは、
たぶん、無理に形にしなくてもいいんだろう。
君が好きだってことが、
伝わればそれでいい。
だから、次もまた、何も言わずに
ただ君のそばにいるだけで満足だよ。
「心と心」
心と心が重なり合う瞬間を
待っているけど、
なぜかいつも
裏側で迷っている気がする。
君の心は表側にあって、
私はその裏を見ている。
「本当はこう思ってるんじゃないか?」
そんな問いかけを
胸の中で繰り返して、
それでも答えが出ない。
お互いに気づいているはずなのに、
裏側の自分を見せるのが怖くて、
結局、
言葉だけが前に出てくる。
でも、もしも
心の裏側を見せたら、
少しは近づけるのかな?
それとも、
もっと遠くなってしまうのかな?
怖いけれど、
その答えを知りたくて、
心は迷いながら進んでいく。
そして、気づけば、
もう裏側すら見せることなく、
心がふと通じ合っているのかもしれない。
『何でもないフリ』
君の前ではいつも、
平気なフリをするのが私のルール。
話すたびに心臓が暴れ回ってるなんて、
絶対にバレちゃいけないから。
でも内心では、君と私の物語を
勝手に頭の中で上映中。
『主演は私、相手役は君』って、
誰も観てない映画をひとりで演じてる。
ただ、どんなに素敵なストーリーを描いても、
君はいつも、遠くの客席に座ってるだけで、
舞台に上がることはない。
エンドロールが流れる頃には、
私だけが泣いてるんだろうな。
「仲間」
仲間って、
楽しい時は一緒に笑ってくれるけど、
失敗したら爆笑してくる。
「助けてよ!」って言ったら、
「それが面白いんじゃん!」って返してくる。
でも、
ピンチの時には絶対そばにいる。
そしてまた、
笑わせてくる。
やっぱり、仲間ってずるいよね。
「手を繋いで」
私たちはいつも、
何も言わずに手を繋いで歩いていた。
言葉なんてなくても、
その温もりがすべてを教えてくれる気がして。
でも、本当は怖かった。
君の手が、私じゃない誰かのものになったら、
このぬくもりを忘れられる自信がなかったから。
「手、冷たいね」って君は笑って、
私の手をそっと包んでくれる。
その優しさが嬉しくて、切なくて、
何度も心の中で叫んでいた。
「このまま時間が止まればいい」って。
でも、現実は冷たくて、
君の手が私の指先から離れた瞬間、
何か大事なものが音もなく壊れた気がした。
それでも私は笑って、
「またね」なんて言うんだ。
君に届かない声で。