「眠れないほど」
眠れない。
布団の中で小さな葛藤が始まる。
羊を数えるべきか、いや、もう羊も疲れてるだろう。
瞼を閉じても、脳内会議は全員手を挙げて賛成してくれない。
寝る。寝るべきだ。
でもさっき思い出したあの恥ずかしい瞬間、
「あの時なんであんなこと言っちゃったんだ?」
とか再放送が始まる。深夜枠で特別編だ。
考えるな。リラックスだ。
でもどうせ明日の朝、寝不足の自分に説教される。
「昨日何してたんだよ?」って。
ああ、眠れないほど面白い自分の脳内劇場に拍手喝采を送りながら、
夜は静かに、でも賑やかに更けていく。
「夢と現実」
夢の中では、空を飛んで
何もかもが自由で、重力なんて気にしない
足元はふわふわ、どこまでも行ける気がして
あなたの声が風に乗って、耳に届く
でも現実では、足元はしっかり地面について
歩くたびに感じる重さが、
私を引き戻して、時々「これでいいのかな?」って
考えさせられることがある
夢の中では、時間も急かさず
ゆっくりと流れて、何もかもがうまくいく
でも現実では、時計の針が進むたびに
焦りが募って、気づけばもう遅い気がして
夢では、全てが手のひらの中にあって
何をしても、後悔なんてない
でも現実では、何度も同じ場所をぐるぐる回って
本当にやりたかったことが見えないまま
それでも、夢を追いかける気持ちは捨てずに
現実の中で少しずつ、歩みを進めようと思う
だって、夢の中で見た光景が
きっと現実に変わる瞬間を信じているから
「さよならは言わないで」
君が「さよなら」って言うたび、
私の心が急にサバンナに放り込まれた気分。
暑すぎて、何も考えられなくなっちゃう。
だってさ、君のいない世界って
ちょっとしたパズルが欠けてる感じなんだもん。
君といると、
毎日がどこかでドッキリを仕掛けられてるみたいで、
飽きる暇がないんだよね。
だから、「さよなら」なんて言わないで!
せめて「また明日」って言って、
私のハートにもう一発ギャグを投げてくれ!
君がいないと、
生活が突然シリアスドラマになっちゃうから、
やっぱり君にはコメディアンとして
私のそばにいてほしいんだよ。
光と闇の狭間で
光が私を呼んでいる。
「おいで、ここには希望があるよ」と。
でも、その温もりに触れるたび、
過去の影が深く刻まれる。
あの時掴めなかった輝きが
今も胸を刺すから。
闇が私を包もうとする。
「もういい、休めばいい」と囁いてくる。
その優しさに甘えたら
きっと戻れなくなるとわかっているのに、
足は少しずつ、そちらに向かう。
光と闇の狭間で、
立ち止まる私。
どちらを選んでも、
傷は癒えない気がして、
ただこの中途半端な場所で
立ち尽くすしかできない。
それでも、いつか、
ほんの少しでも温かさに近づける日を
願ってしまうのは、
まだ、心のどこかで
光を信じているからなのだろうか。
「距離」
距離ってやつ、ほんと厄介じゃない?
近いと暑苦しい、遠いと寂しい。
ちょうどいいなんて、どこにあるんだよ。
体育館の隅っこで、
君はバスケ、私は見てるだけ。
3メートルの距離、なんか知らんけど広く感じる。
どうしてこんなに遠く感じるんだろう?
まさか、私が見てる方向が間違ってる?いや、それはないよね。
でもさ、
君がドリブルしながらこっちを見ると、
急にその距離が「まあ、これでもいいか」って思えてくる。
不思議だよね、目線ひとつで。
……って思ってたら、次の瞬間
「お疲れ」って君が声かけてくれる。
その距離、0メートルになったような気がしたけど、
なんだろう、やっぱりちょっと遠く感じるね。