かっぱえびせん

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11/28/2024, 2:51:49 PM

「終わらせないで」

宿題の〆切が今日だと気づいたのは
夜10時、冷めたコーヒーを前にした瞬間だった

終わらせないで、この平和な時間を
そう心で叫びながら、手は無情にも
ノートを開き、鉛筆を走らせる

「この問題、何回見ても初対面じゃん?」
自問自答が深夜の静寂を破り
答えの見えない公式に向かって
根拠のない友情を築き始める

終わらせないで、もう少し夢を見させて
いや、ちょっと待って、本当に夢に逃げたい
だけど明日の先生の視線がちらついて
目覚ましよりも早く、心が覚醒する

そして朝、提出されたプリントには
謎の解答と「すみません」の文字が踊る

終わらせないで?
…いや、もう終わらせてほしい。

11/27/2024, 1:09:58 PM



「愛情」

愛情って、計算できない
だって、あなたを見ただけで
心臓がダンスを始めるんだから
そんなの、どうやったら予測できるの?

たまに、会話が終わらなくなる
「じゃあね!」って言おうとしたら
また何か思いついちゃう
でも、気づけばそれが楽しくて
時間なんて、あっという間に過ぎちゃう

結局、愛情って
理屈じゃなくて、心が跳ねる瞬間
どんなにバカなこと言っても
その時間が、幸せだって思うんだから

11/26/2024, 2:06:58 PM

微熱

胸の奥に灯る小さな熱
冷ますことも、燃やし尽くすこともできずに
曖昧なままで揺れている

風が吹けば消えてしまいそうで
手のひらでそっと守ったけれど
その温度は、痛いくらいに僕を焦がす

言葉にすれば壊れそうで
黙れば溢れそうで
ただ、微熱のままでいる

いつかこの熱が名前を持つ日まで
僕はそっと、この心の中で育てるんだ

11/25/2024, 12:58:17 PM



太陽の下で

久しぶりに外へ出て、太陽の下に立った。
明るい光が肌に触れる感覚は、
思った以上に心地よかった。

風が吹くたび、木々が揺れ、
その隙間から光がちらちらと動く。
当たり前だと思っていた景色が、
少しだけ特別に見えた。

太陽はいつもそこにある。
でも、それに気づくのは決まって、
少し疲れたときか、立ち止まったときだ。

そんな当たり前の光景が、
ただ少し眩しいだけで、
心が軽くなるのだから不思議だと思った。

11/25/2024, 7:41:44 AM



セーター

おばあちゃんが編んだセーター、
色は少し淡くなって、
でもその温かさは変わらない。
手のひらの記憶が、
今も編み目に残っている。

着るたびに思い出す、
おばあちゃんの優しい声。
「寒くない?」と言って、
手を伸ばしてくれたその手が、
今はもう遠くに感じる。

でもこのセーターがあれば、
少しだけおばあちゃんが近くにいる気がして、
ふと、涙がこぼれそうになるけれど、
それもまた、温かい記憶だから。

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