太陽の下で
久しぶりに外へ出て、太陽の下に立った。
明るい光が肌に触れる感覚は、
思った以上に心地よかった。
風が吹くたび、木々が揺れ、
その隙間から光がちらちらと動く。
当たり前だと思っていた景色が、
少しだけ特別に見えた。
太陽はいつもそこにある。
でも、それに気づくのは決まって、
少し疲れたときか、立ち止まったときだ。
そんな当たり前の光景が、
ただ少し眩しいだけで、
心が軽くなるのだから不思議だと思った。
セーター
おばあちゃんが編んだセーター、
色は少し淡くなって、
でもその温かさは変わらない。
手のひらの記憶が、
今も編み目に残っている。
着るたびに思い出す、
おばあちゃんの優しい声。
「寒くない?」と言って、
手を伸ばしてくれたその手が、
今はもう遠くに感じる。
でもこのセーターがあれば、
少しだけおばあちゃんが近くにいる気がして、
ふと、涙がこぼれそうになるけれど、
それもまた、温かい記憶だから。
「はなればなれ」
隣にいたはずの君が
気づけば遠くにいる
同じ空を見ていても
感じる風は違うんだね
話したかった言葉たちは
どこにも届かないまま
静かに消えていった
はなればなれになっても
君のことを思い出す
それが少しだけ
さびしくて、あたたかい
「スリル」
風が頬を撫で、足元は不安定な道。
一歩踏み出すたびに心が高鳴る。
目の前の未知が、手を伸ばせば触れる距離にある。
恐怖と期待が交差し、胸の奥で静かな嵐が起こる。
その瞬間、時間が止まる。
足音が響き、鼓動だけが聞こえる。
空気が震え、目の前の世界が鮮やかに色づく。
スリル、それは生きている証。
ひとときの迷いも、全てを忘れさせる。
恐れることなく、ただひたすらに突き進む。
スリルの中で、私は確かに生きている。
それだけで、全てが美しく感じられる。
暗がりの中で
静かな闇に身を委ね
浮かぶのは淡い記憶
君と過ごした時間が
小さな灯火のように滲んで消える
触れられぬ距離にあるものを
ただ見つめ続けるだけで
少しずつ色褪せていくのが
こんなにも切ないなんて
遠くで微かに響く足音も
君が去っていく音のようで
振り返れば何もなく
ただ静寂だけが寄り添っていた。