シンビジウム

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3/29/2026, 9:58:52 AM

【見つめられると】

見つめられると、

そっと目を閉じる。

そして、変顔する。

3/27/2026, 9:42:47 AM

【ないものねだり】

ねだっている自分が、みじめになる。

3/26/2026, 10:01:13 AM

【好きじゃないのに】

「卒業おめでとう」

「ありがとう」

中学校の卒業式。
家は隣同士で、親も仲がいい。
物心がつく前から知っているらしい。
俺のほうが一つ上だが、変わらず仲はいい。

「また、先に行っちゃうんだね」
「しょうがないだろ」
「……頑張ってね、高校でも」
「おう」

手に持った卒業証書がズンと重くなる。

「……俺の第二ボタン、やるよ」
「え?」
「誰にも取られなかった、俺の第二ボタン」
「いいの?」

横顔がほんのり赤い。
力任せに第二ボタンを引きちぎって、渡した。

「……好きじゃないけど、もらってあげる。ありがとね」

                       fin.

3/25/2026, 9:59:42 AM

【ところにより雨】

「……ところにより雨が降るでしょう」

お天気キャスターの明るい声がテレビ越しに響いた。

弁当を作っていた手を止めて、折りたたみ傘をバッグに入れる。
お気に入りの水色の傘。

降らないといいなと思いながら、弁当の蓋を閉じる。
今日は、卵焼きが上手く巻けた。
食べるのが楽しみだ。

「いってきます」

                       fin.

3/22/2026, 9:59:19 AM

【二人ぼっち】

「ねぇ、君」

いつも通りお弁当を食べていると、綺麗な声が聞こえた。

「一人?」

「……はい」

「一緒に食べていい?」

制服の名札を見ると、一つ上の学年。

僕がうなずくのを待たずに隣に座る。

「いつもここで食べてるの?」

「……文句ありますか」

人目につかない階段の踊り場。

彼のようにきらきらした人には分からないだろう。

イラついて、つい突っかかる。

「ないない。これからも、来ていい?」

「え?」

「二人ぼっち、ってことで」

                       fin.

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