シンビジウム

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4/10/2026, 9:12:14 AM

【誰よりも、ずっと】

離れていく。
手を伸ばしても、離れていく。
大切なものこそ、離れていく。

離れないと思っていたのは、俺だけだったのか。
二人でー。
きちんと話したことはなかったけれど、ずっと一緒だと思っていた。
一人になるなんて、思っていなかった。

一人にしないでほしい。
そう言って子どもっぽく手を伸ばすことすらできなかった。
大切にしているつもりだった。
今までの誰より、ずっと。

                       fin.

4/7/2026, 9:44:58 AM

【君の目を見つめると】

「ピンクムーンって言うらしいよ、今日の月」

親友と遊びに出かけた帰り道。
まんまるな月を見上げて、隣の彼はそうはしゃいだように言った。

「へー、全然ピンクに見えないけど」

「そう呼ばれてるだけ。ピンクになるわけじゃないよ」

綺麗な月だなと思う。満月なのかもしれない。
ぼんやり考えていると、彼の声が邪魔をした。

「なぁ、」

横を見ると、目が合う。

「ん?」

「月が、綺麗ですね」

無意識に足が止まる。目線を外せずにいると、ニヤリといたずらに笑った。

「なーんて。彼女に言う練習だよ」

「お前彼女いないだろ」

慌ててツッコむ。

「あーあ、彼女欲しー!」

いつも通りに話しながら、ピンクムーンを見るたびに彼のことを思い出すのだろうと思った。

                       fin.

4/6/2026, 9:59:07 AM

【好きだよ】

「好きだよ」

この言葉がこんなに悲しかったのは、初めてだった。

叶わない恋だと分かっていたからだろうか。

「僕も、そのゲーム」

そう誤魔化すように言葉を続けて、ふっと口角を上げる。

4/1/2026, 9:59:44 AM

【幸せに】

「君のこと、幸せにさせてほしい」

一生分の覚悟と勇気を持って、僕は言った。
それなのに、

「何それ」

呆れたように彼女は笑う。
あっけにとられた僕が固まっていると、

「一緒に、幸せになろう」

そう手を握られた。
ハッとする。何を勘違いしていたのだろう。

「これからも、よろしくね」

いたずらっぽく彼女が顔を覗き込む。
でも、その耳は真っ赤に染まっていて

「こちらこそ、よろしく」

愛おしいなと思った。

                       fin.

3/30/2026, 9:44:39 AM

【ハッピーエンド】

人生は、ハッピーエンドだろうか。

バッドエンドでもいいような気がする。

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