シンビジウム

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4/5/2025, 9:59:20 AM

【桜】

クローンだから

みーんないっしょ

4/4/2025, 9:15:40 AM

【君と】

「大丈夫、大丈夫」

と言い聞かせるようにつぶやく。
冷たい床に一人で体育座りしていた。
さすがに放っておけなくて、隣に腰を下ろす。

「大丈夫だよ、きっと」

「…どうなるか、わかんない」

「誰にもわかんないよ」

予想ができないからこそ、怖くて不安になってしまう。どんな舞台でも顔色一つ変えない彼が、こんな風になるくらい。

「そう、だよな」

「うん。一緒にがんばろう」

少し声が明るくなる。
纏う雰囲気が軽くなった。
ほっとして立ち上がる。
今日は、大丈夫な気がした。

「優勝しよう、二人で」

「もちろん」

挑戦的に口角が上がる。
この一年でだいぶ伸びた髪の毛が揺れた。

「行こう」
                       fin.

4/3/2025, 10:00:04 AM

【空に向かって】

赤い血がたらりと垂れる。

その腕を空にかざす。

帳消しになれと願う。

3/31/2025, 10:01:46 AM

【春風とともに】

ぶらんこを漕ぐ。

こんなに疲れるものだったっけ、と。

地面との距離が遠くなって、空が近くなる。

ちょっと怖くなった。

不規則な揺れがちょっと気持ち悪い。

毎日ぶらんこを漕いでいた頃が、懐かしかった。

3/29/2025, 9:56:40 AM

【小さな幸せ】

息が止まりそうに荒くなって、苦しさで視界が滲む。
喉が熱くなってほろりと涙がこぼれる。
自分の涙を見ないように、顔を上に向けた。

「…大丈夫」

自分が落ち着くいつもの言葉。
それでもしんどくて、いくつも涙が落ちていった。

空中をつかむ。
手に入れたいものを全部取り落としている気がしていた。
                       fin.

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