【イルミネーション】
家の近くでイルミネーションがキラキラ光っている。
夏じゃだめなのかなと思う。
でも、空気が綺麗な冬だからこそ美しい。
【愛を注いで】
可視化されればいいのに
コップに水が注がれるように
いっぱいに溢れるのが
分かればいいのに
【心と心】
見えない線 消えない線
心と心が 結ばれている
絡まって 雁字搦め
fin.
【何でもないフリ】
朝日が眩しくて、目が覚めた。
隣には、見知った、いや、もう知りすぎた顔がある。
変わらない顔を見ると、なぜか安心する。
当たり前にいるから、いないのが想像できない。
何でもないフリで、もう一度目を閉じた。
fin.
【ありがとう、ごめんね】
「一緒にいて、よかった?俺と組んで」
「当たり前。これだけ一緒にやってきたんだから。…ごめんね、巻き込んで」
「巻き込まれたなんて思ってない。俺が自分で選んだ道だから」
強い言葉を使いながら、自信はまったくなかった。
それすらも見破られているような気がする。
でも、罪悪感はもってて欲しくない。
「一人で死ぬ勇気なんてないからさ」
「それは、俺もだよ」
「じゃあ、一緒に死ぬ運命だったのかもね」
薄く笑いながら躊躇なくつぶやく。
運命なんて言葉は嫌いだけど、それしかないような感覚が呪いみたいで気持ち悪かった。
「僕のこと刺してよ」
「後悔、しない?」
「しないよ。するわけない。自分が後悔すると思うなら、やめてほしい。それに、僕が後悔するって思うのもやめて」
「…わかってる。わかってる、けど」
言葉が詰まった。
止めたいのに止められない。
より自分が助長しているような。死への階段を二人で駆け下りて行くような。
無力さに沈みそうだった。
「…ためらわなくていい。僕自身がいいって言ってるんだから」
「…じゃあ、いくよ」
「今までありがとう。…ごめんね」
振り上げられた刃物を見上げて、目を閉じた。
fin.