説那(セツナ)

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10/22/2022, 10:56:02 AM

衣替え

夏服と冬服を入れ替えるように、自分が被っている何かを着替えることはできないだろうか。
半年毎に、自分も真新しくできないものだろうか。

そんな馬鹿げたことを考えていたら、隣を歩いていた彼が、上着を私に着せ掛けながら、笑う。

「まだ、衣替えしてないの?」

こうして笑いかけてほしかったからだ。
とは口にしないで、私は上着に残った彼の温もりを感じている。

10/21/2022, 10:06:59 AM

声が枯れるまで

「声が枯れるまで」、叫べ。

そうでないと、空にいる君に、この声は届かない。

面と向かって言う事のできなかった、この言葉を。

誰に聞かれても構わない。

君に届けば、それでいい。

たった一言。

愛している。

10/20/2022, 11:19:09 AM

始まりはいつも

「始まりはいつも雨って、歌詞なかったっけ?」
「あったような、なかったような。」
何だよ、頼りになんねぇなぁ。と言って、彼は、俺の背中を叩いた。

ちょっと力強くね?
その勢いに当てられて、咳き込み始めた俺を見て、ごめん。わりぃ。と背中を擦り始める。
その掌から感じる熱さと優しさに、涙ぐみそうになる。

いつまでこうして、隣に居ることができるんだろう。
いつまでこうして、軽口を叩きあうことができるのか。
始まりはいつも、こうでありたい。

10/19/2022, 10:21:24 AM

すれ違い

僕が仕事で忙しい時、君は早く結婚したいと願っていた。
僕が周りの結婚ラッシュに戸惑っている時、君はマネージャーに昇格して、仕事が楽しくてしょうがなくなっていた。

ことごとく僕たちはすれ違っていた。

僕が君のことが大切で仕方がないと思っていた時、君の心は僕の元にはもうなかった。

最後に別れを切り出した時、ようやく僕たちはすれ違わなくなった。もう全てが遅かった。

10/18/2022, 10:34:00 AM

秋晴れ

夏よりも空が高くなったように感じる。
風も涼しい。

今日は君の代わりに洗濯物をベランダに干そうか。
いや、これだけ気持ちいい空気だから、一緒にやって、早く終わらそう。

そして、その後近くを散歩しないか。
きれいな「秋晴れ」の空を、一緒に堪能しよう。

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