始まりはいつも
「始まりはいつも雨って、歌詞なかったっけ?」
「あったような、なかったような。」
何だよ、頼りになんねぇなぁ。と言って、彼は、俺の背中を叩いた。
ちょっと力強くね?
その勢いに当てられて、咳き込み始めた俺を見て、ごめん。わりぃ。と背中を擦り始める。
その掌から感じる熱さと優しさに、涙ぐみそうになる。
いつまでこうして、隣に居ることができるんだろう。
いつまでこうして、軽口を叩きあうことができるのか。
始まりはいつも、こうでありたい。
10/20/2022, 11:19:09 AM