欠損品

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1/3/2025, 12:14:18 PM

ああ 外に出てみたい

昔から身体が弱かった
外で遊ぶ子供を横目で見てはまた眠りにつく そんな生活

お正月で気持ちが浮ついているのか
寂しいなんて感じることは無かったのに

真夜中 裸足で庭に出た
久しぶりの感覚 足裏が土に汚れる

神社から鐘の音がする
「 日の出 ? 」
好奇心は危ないもの 昔から分かっていたはず
なのに
なのになあ

息を飲むほど綺麗で ずっとここにいたくて

久しぶりに歩いたからか 少し息が上がって
いや 綺麗で綺麗で 身体が驚いてしまったのかな
水平線が歪む
この身体を恨むことしかできない
そんな私が嫌いだ


フィクション

12/31/2024, 2:00:35 PM

「来年も私達一緒にいられる?」
「ええ もちろん」
「いきなり居なくなったりしないでね」

年越しそばを食べて テレビを見て一緒に過ごす
幸せの後に来る喪失感は
いつも貴女を不安にさせる

大丈夫 きっと
来年も再来年もその先も

「 明日神社にお祈りに行こう」
「え いつも行かないって」
「神様にお願いしたいことがあるの」
「何をお願いするの?」
「 秘密 」

『良いお年を』
貴女の隣で目を閉じる
ありきたりな幸せが この先も続きますように


フィクション

12/29/2024, 11:08:12 AM

白くてもう脈を持たない貴女の横に甘いみかんを添えた

「お母さんがね 私の採ってくるみかんは酸っぱいって 」
「ねえ 甘いのってどうやって見つけるの?」
「実が硬いのはまだ成長してないから酸っぱいの」

教えたあともくるのは変わらず酸味の強いみかんだった
私は彼女の 何を見ていたの

「神経疾患」 貴女が居なくなる前に医者が言ってたの

硬さが分からなかったのは 感覚が鈍かったから
匂いも味も まともに感じられなかったんだ
最期まで 私に嘘をついていたの
喜楽を忘れていく貴女の顔 焦点の合わない貴女の瞳
結び付いたようで 苦しくて 箱を閉じることが出来ない

ああ ごめんなさい 。気付いてあげられなかった

酷い焦げ臭さ 微かな柑橘の匂い
幾ら涙を流せばこの火が消えてくれるのか


フィクション

12/28/2024, 11:00:17 AM

想っている人がいる時 長期休暇って酷く苦痛に感じる

もうすぐ卒業で あと何回話せるのかも分からないのに
貴方を見ることすら出来ないなんて

連絡先だけでも知ってたら今頃変わってたかな

外は寒いけど
買い物に行ったらばったり会えたり しないかな、

いつか貴方と
休みも一緒に居れる関係になりたいなあ
なんて

1月のカレンダーを眺めて また会えるのを待ち侘びている


ノンフィクション

12/25/2024, 11:00:06 AM

「眠い眠い眠い」
去年までの私はならきっと今頃
家族や友達とパーティーでもしてるはずだけど

受験生の恋人は勉強 らしい
好きになれるわけないだろう

「点Pお願いだから動かないでほしいな 」
点Pが動かなかったところで求め方は知らないんだけど

家族は私以外全員 インフルエンザ
何故か元気な私が自室に隔離されている 何故だ

冬休み後には私立入試
過去一楽しみではない冬休みが始まってしまった

今年は理系頭脳が欲しいな サンタさん


ノンフィクション

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