◤雨に佇む◢
しとしとと
しとしとと
じとじとと
じとじとと
雨は降る
肩にあたって跳ねるまで
その身を雨に染めるまで
しとしとと
しとしとと
じとじとと
じとじとと
雨は止む
多くの人に恵を撒けば
大災害の一歩手前で
しとしとと
しとしとと
じとじとと
じとじとと
君は言う
なんで貴方は雨が好きなの
傘も差さずに雨を受けるの
しとしとと
しとしとと
じとじとと
じとじとと
意味は無い
それでも今日明日明後日も
私は雨に佇んでいる
テーマ:雨に佇む
◤鍵◢
初めての日記帳
パスワードをつけた
四つの数字
四つの音
大事な大事な宝物を
閉まっておくための鍵
一〇二四
貴方の苗字
テーマ:私の日記帳
◤居る◢
怖かった
優しい君と向き合うことも
酷い彼から逃げ出すことも
怖かった
人の温もりに触れてみることも
一人の寒さを堪えることも
怖かった
あえて自分で手放すことも
急所にナイフで刺されることも
怖かった怖かった怖かった
辛かった辛かった辛かった
嫌だった嫌だった嫌だった
それでも君が好きだった
向かい合わせに座りましょう
きっと傍には居れないでしょう
ですからどうか今だけは
貴方の傍に居りましょう
テーマ:向かい合わせ
◤名前◢
真名を見つめて心を砕く
それは正しいかもしれないし
誤っているかもしれないし
正誤は存在しないかもしれない
偽名を使い分けるスパイがいる
偽りの正しさを抱え生きている
ただの偽りと人は言うだろうか
でもやはり他人への顔は誰しも違う
正しいであろう私の名前
偽り抱える貴方の名前
偽物共に囲まれたまま
少ない真実抱えて生きる他はない
テーマ:私の名前
◤道◢
俯いて
永遠に続く道を眺めていた
進めど進めど終わることない
この道のりに嫌気がさす程
前向いて
永遠に続く道を眺めていた
地平線まで沈むほど先
誰かが待っている気がしたから
だから歩こう
だから進もう
だから選ぼう
この道を進むことを
真っ直ぐ進むことを
長い道の先
果ての無い物事の先
視線の先にはきっと誰かが待っている
テーマ:視線の先には