〇エッセイ的な
水槽さんの「文学講義」という歌がある。「こんな夢を見た」という歌詞がその中に出てくる。この歌は様々な文学から歌詞を引用しており、この一説もどこかの話なのではないかと思う。私は胡蝶の夢辺りを想像しているが、もしかしたらこの言葉は文学から来たものではなく水槽さん自身の言葉なのかもしれない。この答えを知りたいのならば、考察ページを開けばいいことだ。熱心な考察家たちは今日も様々な文献に当たっていることだろう。だが、私はこの一文に人生のどこかで出会いたい。自分から調べに行くのではなく、どこかでふと「ああ、この作品だったんだ」と思いたい。そんなことを思う。
そういえば、そんなテーマの論説文が、現代の国語の教科書に載っていたような気もする。夏目漱石の作品に出てくる言葉の意味で、調べるのではなく出会いたいものがあるという話だった気がする。
教科書か。たしか捨てたなあ。いつか会えるかな。
テーマ:こんな夢を見た
〇都々逸
僕は消えます貴方のせいで いいえ貴方のお陰でね
〇短歌
私なら貴方の生まれる前に行き卵子の時点で殺すだろうね
〇俳句
秋夜に流るる「ドラえもーん」の声
〇詩
「ドラえもん」
子どもの頃、ひみつ道具が欲しかった。
勉強ができて、
運動ができて、
全知全能の神様に憧れるように、
ドラえもんを見ていた。
大人になれば、都合のいい空想はどこかへ消え、
変わらない現実ばかりがある。
のび太くんのように、助けを求めることもない。
夢も希望も幼い私が隠してしまった。
だから、今のアタシはドラえもんになりたい。
テーマ:タイムマシーン
〇都々逸
三月晦日の嘘つきたちは零時過ぎたら動き出す
〇短歌
「私はね甘い嘘なら要らないの」夜の妄想ドラッグでいい
〇俳句
望月や深海魚さえ空見上ぐ
〇詩
『忘れた夢』
夢を見ていた
微睡みの中だった
何も覚えていない
優しい夢だった
君は笑っていた
私も笑っていた
幸せな夢だった
何も覚えていない
覚えていなくて良かった
今日も現実が流れていく
テーマ:特別な夜
〇都々逸
小さなあぶくが潰れるほどの気圧で生きてる深海魚
〇短歌
サンゴ礁足に刺さって痛いからサンダルを履く沖に流される
〇俳句
秋の海ガラス細工に閉じ込める
〇詩
『消息不明』
自殺の定番って海だよね
そう言って君は消えていった
行方不明、その実海に消えたのかもしれない
けれど、浜辺に君の気配を見る
深海にいるような気がする
ベニクラゲにでも、なってくれたらいいのに
永遠に私は貴方を愛したい
だから、海の底で待っていて
私が藻屑と化すその日まで
テーマ:海の底
〇都々逸
君に会いたい夜さりの縁で何とか死なずに生きている
〇短歌
すれ違い君の「こんにちは」の声が背に消えていく既に会いたい
〇俳句
東北忌別れの言葉さえ攫う
〇詩
「夢を見ていた」
夢を見ていた
君は泣いていた
夢を見ていた
君は笑っていた
景色は色褪せる
感情は鮮やかなままなのに
波が全てを攫っていく
涙は灰色、えくぼも灰色
現実まで灰色になりそうな君の気配を
吸って、吐いて、吸って、吐く
君に会いたい
テーマ:君に会いたくて