‐彼岸の国‐
我 我そ 幾 捕命 仮樂
は にな 千 りを 想し
今 はた の て狙 うく
を いの 分 捕つ つ躍
か かさ か らて つり
く がま れ るは 歌
も にが と る狙 へ
生 も性 選 繰は う
き 良が 擇 りれ た
た き僞 返 て
り 事り し し
か
な
ど
薄墨色の宵闇の先
朧月夜の春霞
篝火越しに
爭ひ諍ふ醜き人ら
大河を挾んなり
蓮咲き亂れ咲く
西岸の向かふ
彼の世の淨土豐かさ
心奪はれ浮き足立つ
すは乙女らが
扇越しに微笑み溢なり
あな手が屆きさうぞ
向かふ岸よ
桃がたわわに實る
桃源郷
醜きわたり我先に
爭ひ乍ら河の深さを
知る由もなく
狂喜に滿ちては
河渡らずと
大輪蓮の萼踏みつけて
笑ひ乍らに沈みゆく
あな恐よしうたて樂しげぞ
醜きわたり情けなうたてし
西岸の乙女ら微笑み乍ら
手招き續けて蠱惑續けて
男ら大河の藻屑に
消えゆく
船上漁師は唯々
呆れ呆然と眺む
あな恐よしうたてし
此處は地獄か極樂か
‐ルール‐
Repeatedly shining life and
I call your name,
which I don't even know
Come on, answer me.
You are special
Beloved child
夜明けの鳥達命を謳ふ
其の謳聲の喧しさに
世界の命ゝ目を覺ます
耀いて
煌めいて
今日と云ふ
たつた1度の命の旅へ
瞬いて
羽ば度いて
幾千と云ふ果てしない
人の營みの繰り返し
幾京と云ふ終はらない
命の鎖が脈々流れるる
宙を見上げよ
未だ醉ひしれる
明けの明星
幾億年の命の濁流
名も知らぬ人々の活動を
刮目せよや宇宙の瞳
今日も都に陽が昇り出す
‐例え間違いだったとしても‐
遠く悠久の刻
艶に流れたる
管樂の衣擦れの音
桃花舞ひうつろひ
五色幕搖るる廻廊にて
麗しき君の足下に跪き
其の裾元に口づけせり
東風
東より流れて
海を凪ぐ
潮
滿ちては引き
遙か南より恵む
月
缺けては隱れ
二十七の後滿つ
想ひ
千年の刻待ち望み
幾萬の夜を越ゆ
いつしか想ひは
熾火と成りて
天驅けぬけ星と成れり
ただひとへに
かの人の幸福願ひ乍ら
やがては燃え盡き
石と成り大地に落ちて
宙見上ぐ
變はり果てむとも
只ひたすらに
想ひ人の幸福祈り
‐雫‐
𝓛𝓸𝓿𝓮 𝓲𝓼 𝓹𝓪𝓼𝓼𝓲𝓸𝓷
昨日のつづき
今日と云ふ日
命のつづき
私と云ふ子
革靴はゐて
學校いつて
體操着きがへて
運動したり
勉強に運動
何のとりえもない
ふつーの子
きみに戀して
友達といつしよに
泣いて笑つて
昨日の續き
ふつーの子
‐何もいらない‐
消 水我 戀愛
え 底が とと
ゆ に胸 言言
く 沈な ふふ
を みる にに
た し此 はい
だ まの 清た
待 ま想 らづ
つ ひ すら
の は ぎな
み きれ
ば
夜明けの海に
打ち寄せる波
昨日の哀しみ
満ちては引いて
想い出となり
水底へ沈む
新しく生まれる
今日という朝
海風
ソラもウミも
もう夏を忘却れた
君との道も今は違へた
其れでも日は昇る
季節も巡る
握つた其の手の温もりを
永遠に続かぬ幸せを
僕らは何処かで
知つてゐた
其れでも互いに何も言はず
ただ一瞬を大切にした
刹那を慈しみ歩いた日々
互ひに過去に成つた今
かうして夜明けの濱邊に独り
腰を掛けては遠くを眺めて
君の幸せただ祈つてる
手に入れる入れない
此の先を
共にするしない
其れすら越えて
胸にしまつた
愛と云ふ名の
想いの化石
僕の中に埋まつて
静かに睡つていく
遠い海の記憶