‐何もいらない‐
消 水我 戀愛
え 底が とと
ゆ に胸 言言
く 沈な ふふ
を みる にに
た し此 はい
だ まの 清た
待 ま想 らづ
つ ひ すら
の は ぎな
み きれ
ば
夜明けの海に
打ち寄せる波
昨日の哀しみ
満ちては引いて
想い出となり
水底へ沈む
新しく生まれる
今日という朝
海風
ソラもウミも
もう夏を忘却れた
君との道も今は違へた
其れでも日は昇る
季節も巡る
握つた其の手の温もりを
永遠に続かぬ幸せを
僕らは何処かで
知つてゐた
其れでも互いに何も言はず
ただ一瞬を大切にした
刹那を慈しみ歩いた日々
互ひに過去に成つた今
かうして夜明けの濱邊に独り
腰を掛けては遠くを眺めて
君の幸せただ祈つてる
手に入れる入れない
此の先を
共にするしない
其れすら越えて
胸にしまつた
愛と云ふ名の
想いの化石
僕の中に埋まつて
静かに睡つていく
遠い海の記憶
4/20/2023, 9:38:38 PM