‐例え間違いだったとしても‐
遠く悠久の刻
艶に流れたる
管樂の衣擦れの音
桃花舞ひうつろひ
五色幕搖るる廻廊にて
麗しき君の足下に跪き
其の裾元に口づけせり
東風
東より流れて
海を凪ぐ
潮
滿ちては引き
遙か南より恵む
月
缺けては隱れ
二十七の後滿つ
想ひ
千年の刻待ち望み
幾萬の夜を越ゆ
いつしか想ひは
熾火と成りて
天驅けぬけ星と成れり
ただひとへに
かの人の幸福願ひ乍ら
やがては燃え盡き
石と成り大地に落ちて
宙見上ぐ
變はり果てむとも
只ひたすらに
想ひ人の幸福祈り
‐雫‐
𝓛𝓸𝓿𝓮 𝓲𝓼 𝓹𝓪𝓼𝓼𝓲𝓸𝓷
昨日のつづき
今日と云ふ日
命のつづき
私と云ふ子
革靴はゐて
學校いつて
體操着きがへて
運動したり
勉強に運動
何のとりえもない
ふつーの子
きみに戀して
友達といつしよに
泣いて笑つて
昨日の續き
ふつーの子
‐何もいらない‐
消 水我 戀愛
え 底が とと
ゆ に胸 言言
く 沈な ふふ
を みる にに
た し此 はい
だ まの 清た
待 ま想 らづ
つ ひ すら
の は ぎな
み きれ
ば
夜明けの海に
打ち寄せる波
昨日の哀しみ
満ちては引いて
想い出となり
水底へ沈む
新しく生まれる
今日という朝
海風
ソラもウミも
もう夏を忘却れた
君との道も今は違へた
其れでも日は昇る
季節も巡る
握つた其の手の温もりを
永遠に続かぬ幸せを
僕らは何処かで
知つてゐた
其れでも互いに何も言はず
ただ一瞬を大切にした
刹那を慈しみ歩いた日々
互ひに過去に成つた今
かうして夜明けの濱邊に独り
腰を掛けては遠くを眺めて
君の幸せただ祈つてる
手に入れる入れない
此の先を
共にするしない
其れすら越えて
胸にしまつた
愛と云ふ名の
想いの化石
僕の中に埋まつて
静かに睡つていく
遠い海の記憶
‐もしも未来を見れるなら‐
此風 刻其 瞼春
のに よの 伏紅
世光 と黒 せの
のに ま髮 し花
全眩 れ靡 麗を
てく 世か し背
は煌 界せ のに
君め よし 君
のく 終刹
手 は那
に れ
‐ダ・ヴィンチ ‐ひわの聖母‐
健やかなるかな
小さき命
健氣たるかな
つぶらな瞳
か弱き命に
祝福たるや
馥郁たるかな
御子の手のひら
清らたるかな
聖母の膝元
小さな命よ
永遠に永久に