3/9/2023, 1:34:47 AM
‐資本主義の片隅で‐
凪が驅け拔ける
ぼくが靜かに坐る
此の濱邊の椅子を
すり拔けて
曇天の刻も
晴天の刻も
ぼくを靜かにつつむ
此れを愛と言はず
何と呼べばいいか
ぼくは言の葉をしらない
12/14/2022, 1:47:09 PM
‐イルミネーション‐
光の森に燈りが點る
浮き足だつた人の群れ
凍える噴水
舞ひ踊る飛沫
獨り佇み足下見れば
影のないもの獨りふたり
眩い世界に迷ひこんで
自分が人だと勘違ひ
早くおかへり
自分の世界へ
11/1/2022, 5:34:36 AM
‐理想郷‐
樂しく遊戲んで地獄逝き
神樣嗤つて蹴つ飛ばして
地平線から水平線
後悔なんか絶對しない
腦内モルヒネドバドバ出して
驅け上がつては墮ちて逝こ
普通てなによ樂しけれあいい
説教なんか絶對ヤだね
綺麗事上等遊戲ばうよ
樂園なんかあれあしない
冷靜と狂氣の狹間で
血湧き肉躍り地獄逝き
共食ひしあつて一緒くた
混ざり合つたら寂しくない
幸せなんか人其れぞれ
神樣なんかに決めさせない
10/24/2022, 2:09:01 PM
‐行かないで‐
去つていくのは
何も人許りとは
限らなくて
時間も思ひ出と云ふ
形に成つて去つていく
行かないで時間
止まつてよ時間
いつかは終はつてしまふ
永遠はないから
10/7/2022, 2:47:48 PM
‐毎回恒例
お題が気に入らないので
勝手にかく‐
晩秋の海は青白く荒れ
鈍くうねる青銅色
渦卷く雲と風の流れに
逆らい乍ら風切る猛禽
波打ち際にて弄ばれては
よせてはかへす
硝子のやうな海月の躯は
虚しく現世を漂ふばかり