‐落下‐
天蓋に吊られた
黒鐵鋼裝飾の
硝子燈會の中で
紅い炎が妖しく搖れる
炎に釣られて
照らされて
蒼い蛾が
翡翠色の翅蟲が
夢見心地で
囘り飛び交ふ
身を滅ぼすと解つてゐても
危險な戀慕と解つてゐても
吸ひ寄せられて近づいて
炎に灼かれ彈け散る
炎は誘ふ
こつちへおいでと
蟲が応へる
そつちへ逝くと
愚かな蟲と蔑む君
盲目の想ひ
羨望するぼく
ぼくらは道を間違へた
君は誰も愛さない
ぼくも誰も想はない
不毛な二人
さうなる爲のカードは
全て揃つてゐるのに
‐未来‐
雲が遠くへながれていく
誰も知らない遠い場所へと
ありのままで
身を任せてゐる
風にあづけてる
飾らない姿で
優しくし度いとか
美しくい度いとか
僞らないで
誰も知らない
約束の場所へと
ただ其處にあるだけ
ながれていくだけ
ーーーーー
そんな事よりも
今どうするか、って
ことの方が重要。
現在があるから
未来が先に続くんだし。
未来の話をする人間は
あんま賢くない。
っていうかちょいビックリ。
ここPCでも見れるようになったん?
‐一年前‐
‐一年後‐、も。
きみとわたし
君が立ち止まつて
わたしの背中を見てゐても
わたしの謳を聽いてても
わたし氣づかぬふりをするよ
だから君がいつも
わたしの肩に觸れたとしても
君が名前を殘していつて
君の名前を知つてゐても
引つ張らないなら
振り返らない
さうやつて發芽もせず枯れていくの
刹那的でとても良いね
‐黎明‐
遙かなる水平線を
靜かに搖れて煙らせて
見えない世界を
潛行つていく潛つていくの
青よりも蒼い世界へ
耀きよりも煌めく世界へ
鼻孔をくすぐる潮の香り
足下を濡らす波
指先から流れ出す砂
搖れてゐる搖さぶられてゐる
おいでよおいでわたしの世界へ
こつちへおいで
兩の腕をひろげて
微笑み乍ら鼻音し乍ら
喚ばれてゐる喚ばれていく
意識の先に詩の世界に
煌めく星の足下に
耀く深海の頭上に
ーーーー
ちなみに好きな本は
特にない。
あと、Twitterでも違う名前で
謳っているので見かけたら
よろしくどうぞ。
‐あいまいな宙‐
名月や
たより取る輪廓(ふち)
耀ける
君を忘れて
いづこへ行かう