♰ (X:@xsxrxdxcxex)

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6/7/2022, 1:57:28 PM

‐世界の終わりにキミと‐


ツンドラ
凍てつく凍原
作法厳しき氷の女王

恐れを知らず
無謀に胸元踏みいる旅人

人はそれを勇気と言わぬよ

此方へおいで寂しかろう
此処へおいで不安だろう

彼女が囁く風が吹く
彼女が手招く雪が降る

ポラリス
見上げた北極星
煌めきたるは彼女の瞳

おいでやおいで
抱いてやろうて

おいでやおいで
永遠をやろうて

永遠の約束冷たき唇

美しきまま此処に棲まえや
わたしと共に

氷の微笑み
溺れてしまえよ此の夜に


謳い揺れているよ
大いなる世界樹ユグドラシル

世界を支える樹の下で

もう離さない

お休みなさいな
永遠の誘い

6/6/2022, 11:03:43 AM

‐最惡‐



部屋のソファで足投げ出して

頬杖ついて退屈してる
“ご主人樣”と

飼ひ慣らされる
數字の異形ら

全てが毒し冒されて
何も麻痺して感じない


儀式のやうに仰々しく
豪奢なグラスに

アブサン注いで

角砂糖のせ火を附けよ
指さし目配せ指圖する


ゆらゆら搖れる青い炎

牀から這ひ上がり
纏はり附く蛇

抽出される
呪ひの植物苦ヨモギ

啼き交はしてゐる
つがひの鸚鵡

纏わせられた花言葉
“此の世に存在しない”



眞晝の月よ
夜中の太陽

羊の瞳
横長瞳孔

黒い流し目
撃ち墮として

此の世から
拐かしてしまはう

永遠に

6/5/2022, 2:37:06 PM

‐誰にも言えない秘密‐



日曜の魔法

夢のやうに
刻は過ぎ

小雨降るなか
鐘は鳴る

かけ降り乍ら
振り向き乍ら

午前零時の
記憶喪失

6/4/2022, 10:28:29 AM

‐狭い部屋‐


瞳のレンズの向かふ側

泡の上がる水音と
靜かに泳ぐわたしの古代魚

水槽前で照らされ乍ら
ミルクマグを兩手に抱へ

ぼんやり口開け眺める
年下のキミ


華奢で細いなで肩が
ダレた襟首から零れてる

白い肩に咬みついて
紅い痕を殘したら

困るだらうと意地惡したら
振り返らずに首を傾け

ココにもしてよと
要求してくる

クスクス笑ひで一枚上手


學校サボつて
いつも入り滲つてる

年下のキミ

6/3/2022, 10:07:07 AM

‐これは失恋の物語、始まりは…‐


廻轉琴が掻き鳴らされる
廻る廻る運命の輪

給水塔を遙か越えて
共に作つたペンシルロケット

いつかあの星に行かうと
約束をした左の小指

こどもの約束夜空を越えて
あなたは獨り星に成つた



洋琴を奏で屆けるやうに
キーボードを叩いて彈いて

あなたが曲を奏でるやうに
わたしが謳つてあなたに傳へる

あなたはわたしの廻轉琴
わたしはあなたの自動書紀

國立博物館で待つてゐて
黒鐵天象機で夢を描いて

素敵な夜で終わりませう


眞鍮のトートロンの前で待つてゐて
雙葉鈴木龍の化石の前で待つてるわ

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