6/1/2022, 12:35:23 PM
‐梅雨‐
硫酸の雨
亞鉛鍍鐵板の雨避け
打つて滴り流れ
煙りを出して
泣いてゐる
派手な漢字の飾燈電飾
電氣音を走らせ乍ら
ヂヂと呟き瞬いた
濕氣つたシガー
掌隱し
君のジッポで
火を燈けた
年をとらない僕の横顏
管が繋がる手首の端に
見え隱れする墨印條形碼
君の言葉を想ひ出す
雨が好きだと言つてたね
5/31/2022, 12:52:05 PM
‐今日のお題は長すぎる
気がのらないから勝手にかく‐
人生とは迷ひ續けるもの
人は欲しがる際に
間違ひ續けるもの
何人だらうと正解は解らず
有るとせば
我が後に道が出來る
5/30/2022, 1:13:47 PM
‐ただ必死に走るキミ(私)
何かから逃げるように‐
地圖から抹消された
土瀝青路
ぼくが君を追ひかける
本氣で走つて逃げるといい
どれだけ逃げても追ひかける
どんな罠でも嗅ぎ分けて
君の足跡つけていく
フードの下から見え隱れする
紅い瞳と長い鼻面
カーブミラーに映つた獸
何處まで行つても
逃がさない
乾いたやうな
激しい衝動
月夜の夜は危險な入り口
ほらほら逃げなきや危ないよ
洩れる呼吸と濕つた足音
君の白襟引き裂いて
指で千切つて潰した野苺
君の首筋塗り度くつたら
フードをとつて姿を見せよう
割れた鏡に映つた獸
命乞ひなんか
聞こえない
墮ちる時間を樂しんで
5/28/2022, 3:03:01 PM
‐半袖‐
思ふが儘に
生きるが好いよ
わたしが愛した
君の背中
靜かに押して
見護るも愛
こんなばかたれ
想ひ續けるは
わたしだけ
5/27/2022, 12:21:03 PM
‐天国と地獄‐
照明落とした蒼い部屋
硝子の箱で搖れる魚
横目で追つて
口の端の咥え煙草
頬杖ついて眼鏡を掴み
煙草の火の先近づけた
空調搖れる觀葉植物
虚ろな瞳で天井眺め
ふと過ぎつてる
明日はどう生きるかの
詰らん現實
啼き交はしてる
愛鳥の鸚鵡
食べるも面倒
息も面倒
他人も面倒
氣怠い毎日
誰か爆彈落として
此の心臟に引火して呉れ
そしたら期待に応へて
劇物のやうに
業火をあげて
燃えてやるから