‐最惡‐
部屋のソファで足投げ出して
頬杖ついて退屈してる
“ご主人樣”と
飼ひ慣らされる
數字の異形ら
全てが毒し冒されて
何も麻痺して感じない
儀式のやうに仰々しく
豪奢なグラスに
アブサン注いで
角砂糖のせ火を附けよ
指さし目配せ指圖する
ゆらゆら搖れる青い炎
牀から這ひ上がり
纏はり附く蛇
抽出される
呪ひの植物苦ヨモギ
啼き交はしてゐる
つがひの鸚鵡
纏わせられた花言葉
“此の世に存在しない”
眞晝の月よ
夜中の太陽
羊の瞳
横長瞳孔
黒い流し目
撃ち墮として
此の世から
拐かしてしまはう
永遠に
6/6/2022, 11:03:43 AM