5/21/2024, 3:47:23 AM
「写真、良かったらみんなで一緒に撮らない?」
決死の思いで密かに想いを寄せている相手に少し震えた声でそう訊ねた。今日は体育祭で、どこかしこで皆も写真を撮ってる。例え私が彼の隣を絶対に陣取るつもりだろうが、クラスメイト数人で写真なんて怪しくもなんともないはずだ。うん、そのはずである。
何も言わない彼に内心ばっくばくで待っていると、やがて「あの」と小さな声が聞こえた。
「その後で…ツーショット、とか、だめすか、ね」
現実が理想を越えないでほしい。
"理想のあなた"
5/19/2024, 12:40:29 PM
「あ、前髪切った」
そう隣から覗き込まれて咄嗟に「んぐ」と声が出た。突然失われた前髪について言及されただけでなく、疑問ではなく断定の形だったのがどうしようもなく悲しい。
「テレビ観てたの…」
「前髪切りながら?」
「そお…」
前髪を手で隠しながら少しでも見られないように距離を取っていると、小さな小さな声が聞こえる。
「顔、よく見えてうれしい」
ばっちり聞き取って、臓器がドッッッとなった。
"突然の別れ"
5/19/2024, 4:14:13 AM
「ラブコメって主人公が好きになれるかみたいなところあるよな」
「剛田猛男好き」
「わかる」
「愛城恋太郎好き」
「あれは嫌いな奴いないだろ」
「デルウハ殿好き」
「Thisコミュのことラブコメだと思ってる読者いたんだ」
"恋物語"
5/16/2024, 12:27:36 PM
「本当に私を愛してるなら一緒に死んでくれる?」
「え、いいけど今?」
「覚悟にスピード感ありすぎてこわい」
でもありがとう、と小さく言って、彼女は少し下手くそに笑った。
"愛があれば何でもできる?"
5/15/2024, 12:31:14 PM
「爪、ピンクなのかわいい」
絶対青系の方が可愛かったなと思っていたのに、その言葉とちょっとだけ笑った顔で私のダスティローズは最強になった。
"後悔"