『やるせない気持ち』
「つらいな…」
私は大きくため息をついて思う
疲れているような、なんというか
吐き出せないようなものがある気がする
なのに出来ない
私は求め続ける
このやるせない気持ちを打ち明けられるような
空間や人を
私はいつまでも求めているのかな…
#上下どっちからでも読める文章
作 有栖川
『海へ』
「海…行こうかな」
私は呟いた
新しく配属になった部署の仕事に慣れないのだ
どっと疲れが溢れかえる
思い出しただけでたまらない
カモメが鳴く
水面が乱反射してキラキラと輝く
どんよりとした私の世界を光らせる
これが私にとっての海だ
#上下どちらからでも読める文章
作 有栖川
『裏返し』
「常識なんて裏返してやる」
私たちは
いつかを待っているような子供じゃない
理不尽を流せる大人でもない
だからこそ
立ち上がって前を向け
目を逸らすな
底辺から駆け上がればいい
頑張れ私
※今回も上下どっちからでも読める仕様です
作 有栖川
『鳥のように』
「羽ばたけ自分」
私は決意して言う
何があったって屈しない
他人(ひと)の思い通りになんてさせない
私は自由になるんだ
鳥のように
誰にも邪魔されない
何にも束縛されない
何があろうと私は負けない
※今回は上からでも下からでも読める仕様です
作 有栖川
『さよならを言う前に』
バタバタッ!!
病室の廊下を走る音が響く
ガラッ!!
女性は勢いよく病室のドアを開ける
「おじいちゃん!」
彼女は息を切らしながらも祖父の名前を呼んだ
彼女の祖父は数年前からがんにかかっており、余命宣告もされていた。
つい先程病院の方から連絡があり、会社を飛び出して向かった
「おじいちゃん!」
すると祖父が口を開いた。
『わしももう長くはない。だから聞いてくれ』
「うん。なに?」
『わしのパソコンを風呂に沈めといてくれ…
ばあさんに見つかってはいけないのがあるんじゃ…』
「うん?わかったよ」
彼女は涙ながら祖父の手をぎゅっと握りしめていた。
そうして祖父は天国へと旅立ったのであった
作 有栖川