それは宝石でもなく金塊でもなく
奪うものでも奪われるものでもなく
当たり前であってもありふれたものでもなく
愛し慈しみ尊び護られるべきもの
それが「キミ」という宝物
かけがえのない代わりのない大切ないのち
クリスマス当日に時間を作れないからとお詫びに連れてきてくれた雑貨店。
オーナメントやリースなどの可愛らしい小物が並ぶ中、私が選んだのは一対のキャンドル。
天使が二人、見つめ合うように並べられたそれは、フレグランス付きの一点ものの手作りアロマキャンドルだった。
「いいね。これを分けてお揃いにしよう」
「嬉しい。火を灯すのが今から楽しみだわ」
クリスマスの埋め合わせに彼がプレゼントしてくれたのは、ダイヤモンドのネックレスとアロマキャンドル。
彼の恋人とお揃いの、素敵な素敵なクリスマスプレゼント。
おれたちが初めて出逢ってから、どれだけの時間が経っただろう。
たくさんの出逢いとたくさんの別れ、たくさんの戦いとたくさんの思い出。
仲間はたくさん出来たけど、相棒はいつだってお前だけだ。
ケンカして仲直りして、一緒に笑って泣いて。言葉はなくても築いてきた絆は、おれにとって一生の宝物だ。
お前にとってもそうだといい。そうだって、信じてる。
だからさ、これからもずっと一緒に冒険しようぜ相棒!
少年はいつも半袖半ズボンだった。
自宅は裕福ではなかったからいつも同じ服装で、腕や脚はヒョロヒョロで折れそうなほど細長かった。
ある雪の日。
やっぱり半袖半ズボンでガタガタ震えながら登校してきた少年を見かねて、若い担任が自分のジャケットを貸そうとした。
すると少年は鼻水を垂らしながら言った。
「先生はぼくを憐れに思ったのだろうけど、これは自分が決めたお金を掛けずに身体を鍛える訓練なので大丈夫です」
冬になったら思い出す。
その後結局風邪を引いて長いこと寝込んでしまい、家族と若い担任に心配をかけた少年のことを。
親切を素直に受け取れなかった、愚かで未熟だった自分自身の姿を。
「はなればなれということは、もともとひとつだったということでしょう?」
割り箸然り、チケット然り。
離れたら最後、もう元には戻れない。
例えくっつくことが出来たとしても、それは見せかけなだけで「完全な」形じゃない。
だからぼくら別れを選んだなら、もう二度と同じにはなれないんだよ。
「それでもわたしは信じてる。違うかたちでまたひとつになれるって。だって、」