たまには、星を見に行こうか、なんて。
外を見つめて、あなたが言う。
珍しい───。
目を丸くしてあなたを見れば。
視線はそわそわ、お庭の方に。
つけっぱなし、明るい車の前で、
ぴょんぴょん跳ねる影ひとつ。
なるほどね───。
小さく笑って、小走りに。
星のお皿を片手に持って、
荷物を探す、あなたに語りかける。
あいもかわらず───。
何気ないふりが苦手なんだね
そんな私の言葉に笑みを一つ。
照れくさそうに頬を掻いて、あなたは言った。
「君と一緒で嬉しいよ」
肩にかけられるお気に入りのコート、
今さら感じる温かさに、少しだけ頬を染めて。
車に乗った私達は。
何気ないまま、星空の下を走り出した。
くるくる、クルクル。
世界は回る。
みんな笑顔のハッピーエンド───。
忠勇義烈な正義の味方。
消えた誰かは置き去りにして、
悪因悪化の自業自得。
望む悲劇は訪れないで、
笑顔の花は世界を覆う。
嬉しいのかな、楽しいのかな。
騒ぐ子どもに笑顔を返す。
さらりと撫でる。
冷たい十字が、手に染みる。
あぁ、どうせ
幸せなんてわからないクセに───。
赤く灯った信号に、ふと。
喉の渇きを思い出す。
止めた足をくるりと返して、
一歩、二歩。
道沿いの旗が目に入る。
ソフトクリーム買ってもいい───?
そんな声が聞こえた気がして、
気づけば僕はレジにいた。
「ソフトクリーム…コーンのやつで…」
笑顔のまぶしい店員さんから、
雪のすべり台みたいなアイスをもらって。
歩きながら、口に含む。
「甘いね…」
頬がほころぶ。
誰に見せるわけでもないのに、
おいしさよりも、先に『笑顔』が来る。
あぁ、まったく───。
見つめられたら、食べづらいじゃないか。
ふらりふらり、揺れるこのはを目で追って、見えない『なにか』を追いかける。
君はどこにいくんだろう。
僕はどこにいるんだろう。
『なにか』は僕とちがうけど…
君の行く道は正しいんだって、
僕の来た道は違ったんだって、
そう信じて、歩み出す。
あぁ───。
小さな花が揺れてるよ?
小さな鳥も歌ってる!
僕の心は。
やっぱり僕には、わからないんだ───。