NoName

Open App

たまには、星を見に行こうか、なんて。
外を見つめて、あなたが言う。

珍しい───。

目を丸くしてあなたを見れば。
視線はそわそわ、お庭の方に。

つけっぱなし、明るい車の前で、
ぴょんぴょん跳ねる影ひとつ。

なるほどね───。

小さく笑って、小走りに。
星のお皿を片手に持って、
荷物を探す、あなたに語りかける。

あいもかわらず───。
何気ないふりが苦手なんだね

そんな私の言葉に笑みを一つ。
照れくさそうに頬を掻いて、あなたは言った。

「君と一緒で嬉しいよ」

肩にかけられるお気に入りのコート、
今さら感じる温かさに、少しだけ頬を染めて。

車に乗った私達は。
何気ないまま、星空の下を走り出した。

3/30/2026, 12:59:47 PM