「僕と一緒にいなくなろ?」
と私の前で囁く女の子。
私の目に映るのは容姿端麗で高嶺の花。そして人や動物から好かれる優しい、女の子らしい女の子が映っていた。
そんな子からいきなり“いなくなろう”なんて言われることなんて人違いなのかそれか好意を寄せてるもの同士でしか聞かないであろう言葉が発せられた。
私が唖然としてるうちに高嶺の花は崩れていく感じがした。
最近までは“私”だった一人称が不自然な“僕”に変わって、怖いくらいに必死さが伝わってしまうほどだった。
彼女は私を愛しているのだ。
出ないと今までの行動が理解できない。
無駄にボディタッチが多いのも、私を見る目がだんだんと変わっていくのも、“同性”と“行動”が私を混乱させ気持ち悪さを押し殺して息をしていた。
でも今その理由がわかってしまった。
私は特に性に関して興味がないから誰でも大丈夫なのだが同性だからという言葉で混乱してあの気色の悪い行動に対して目を塞いでたのかもしれない。
そんなあなたが私より辛いと言わんばかりに言った言葉が心底許せなかった。
誰にも嫌われたくないあなただから私の前だけ本当の自分を出したの?
それとも同性同士の恋愛が想像できなかったから?
混乱が混乱を招いているときに彼が私の手を握って意識がはっとした。
そこはもう手遅れで世界が逆さまになっていた。
一向に既読がつかないメッセージ。
メッセージを確認するためにつけては同じ結果で消してそんな繰り返しで1秒1秒が長く感じる。
こんなにも私の頭はあなたでいっぱいだというのにあなたは私を頭の片隅にも置いてはくれないのね。
フィルターが剥がれ落ちる瞬間。
その瞬間は絶望で、醜いを隠すための壁でもある。
例えば好きな人や加工。
好きな人の場合その人だけ特別に美しく、周りに見えないはずの花が咲いているなど。まるで絵画を見ている気分になる。
加工の場合、自ら自分を機器を通し美しく理想の姿に仕立て上げるものだ。自分の感覚を麻痺させるんだ。繰り返し繰り返し言い聞かせる。
さてこのフィルターを剥がしてみる。
好きな人がいる人は世間でいうといわゆる蛙化現象。
周りと同じで何一つとして魅力が伝わらない絵画になるだろう。
加工の場合はむしろ繰り返し、麻痺させるだろう。
ざっとこんなとこだ。
フィルターを外して気付くことフィルターを外さず守れるものこれから先はそれが大切だ。
僕は事故にあった。
生きるためには記憶をなくすリスクの高い手術をしなければならなかった。
僕には可愛い可愛い好きな人がいる。
でもきっと君のことを忘れてしまうだろう。
忘れてしまっても僕に優しく笑いかけてくれるだろうか?
でも忘れてしまってもまた僕は君に恋をしてしまうだろう。
なぜなら僕は僕だから。
手術が終わった。
無事に失敗したんだろうか?生きているということは成功…か
一目惚れをしてしまった。前世で会ったことあるのかぐらいに引き寄せられた。でも相手には残念ながら恋人がいた。
今更記憶があるなんて
言い出せなかった。
夏の忘れ物を探しに行った。
僕は取り残された。
僕は完璧だった。というか完璧という言葉好きで仕方なかった。完璧は落ち度がないどこをとっても100点。
たがら取り残されることも、置いてかれることも、離れることもなかった。
だから僕は僕を探しに行こうと思う。
もともと気づいてだんだ。僕は最初から完璧でもなければ今も完璧じゃない。
ただ何もない自分に、自信だけあるバカな自分が金魚の糞のようにくっついてるみたいだった。
そんな自信のある自分は死んだ。
僕は取り残された。
わからない。今までが嘘だから。
本当を目の前にどう生きればいいかわからない。