「僕と一緒にいなくなろ?」
と私の前で囁く女の子。
私の目に映るのは容姿端麗で高嶺の花。そして人や動物から好かれる優しい、女の子らしい女の子が映っていた。
そんな子からいきなり“いなくなろう”なんて言われることなんて人違いなのかそれか好意を寄せてるもの同士でしか聞かないであろう言葉が発せられた。
私が唖然としてるうちに高嶺の花は崩れていく感じがした。
最近までは“私”だった一人称が不自然な“僕”に変わって、怖いくらいに必死さが伝わってしまうほどだった。
彼女は私を愛しているのだ。
出ないと今までの行動が理解できない。
無駄にボディタッチが多いのも、私を見る目がだんだんと変わっていくのも、“同性”と“行動”が私を混乱させ気持ち悪さを押し殺して息をしていた。
でも今その理由がわかってしまった。
私は特に性に関して興味がないから誰でも大丈夫なのだが同性だからという言葉で混乱してあの気色の悪い行動に対して目を塞いでたのかもしれない。
そんなあなたが私より辛いと言わんばかりに言った言葉が心底許せなかった。
誰にも嫌われたくないあなただから私の前だけ本当の自分を出したの?
それとも同性同士の恋愛が想像できなかったから?
混乱が混乱を招いているときに彼が私の手を握って意識がはっとした。
そこはもう手遅れで世界が逆さまになっていた。
9/23/2025, 1:42:02 PM