【理想のあなた】
姑に何か言われたときに冷静に理路整然と言い返せる。
姑に意地悪されたらやり返せる。
姑への不満を本人に直接、言える姑に「あなたが大嫌い」とはっきり言える。
姑から以前、言われたこと、されたことを夫の兄弟に言える。
「私はこの家のお墓には入りません」と夫の親族に言える。
姑になんて言われようが自分の思った通りの行動ができる。
理想通りに行動したら、その後どんな顛末になるのだろうか…
どんなことが起きようがあなたがあなたらしくいられることが本当の理想のあなたよ!と誰か言ってくれるかな?
#9
【突然の別れ】
恩人が亡くなった、と突然連絡がきた。本当に突然死だったらしい。ご夫婦2人暮らしで夜遅くなったのにテレビの音を高くしていたので、ご主人が奥さんに注意したら反応がなく救急車で運ばれたけれどダメだったと、体調があまり良くない、と言うので翌日は息子さんと病院に行く予定だったと息子さんから聞いた。あまりにも潔い最期を知り彼女らしいな、本当にそういうことがあるのだと思いながらも、もう一度会ってお礼を言いたかった、私の心を救ってくださってありがとうときちんと言いたかった。
姑との関係、言われたことが頭のなかでリフレインし忘れられず苦しくて胸の内を吐き出した私に、心療内科を紹介してくれて…
「でもあなたはこうやって誰かに話すだけでも大丈夫かもね」といつも私の話しに黙って頷きながら聞いてくれた。
子どもが幼い頃、姑のストレスを子どもに暴言を吐き、ぶつけてしまった自分のふがいなさに涙したとき「その時はそうしなければあなたが壊れてしまってただろうから仕方なかったのよ、それでもよい子に育ったんだから大丈夫!」と言ってくれた。
いつも気にかけてくれて季節の惣菜や食べ物も届けてくれて言葉やメールや手紙で私を支えてくれた。
こんな突然の別れは伝えたい言葉も思いもどうすれば良いのかわからない。さまよう言葉と思いを、これからもずっと抱えながら生きていくしかないのだろう。それが彼女を忘れずにいることの証しになるのかもしれない。
#8
【恋物語】
(私にしてはかなり長文)
~その1~
高校生の時、憧れの人がいた。
告げた記憶はないのだけれど…
卒業後、地域のサークルで一緒になり帰り道ドライブに行ったりした。
憧れが現実になると冷めてしまうのが私の癖なのか、サークルの足も遠のき、そのままになった。
数年前、地元のお祭りで偶然会い、○○さん?と声をかけられた。
還暦間近というのに甘いマスクは若い頃のまま
少し心がときめいた。
~その2~
大学のサークルで、無口でシャイな人に出会った。
飲み会の時は、さりげなく隣に座った。
彼女がいると仲間の噂話で知ったけど想いを捨てることはできなかった。
彼がサークルを辞め会うこともなくなり、それでも忘れられなかった。
想いを抱えてることが苦しくなって告白してあきらめようと決め電話で呼び出した。
初めて作った不格好な手作りのシュークリームを持って彼を待った。
小さな古い喫茶店をなかなか見つけられなかった、と遅れてきた彼に
「好きでした」
絞り出すような声で告げた。
返事がなんだったか、本当に記憶がない。
うん、と頷いただけだったか?
そう…と言ったか?
それだけで終わった。
「好きでした」
なぜ過去形で言ったのか?
あるいは言えなかったのか?
自分でもわからない。
たぶん踏ん切りをつけるためだったからかもしれない。
噂では今も隣町に住んでいるらしい。
竹内まりやの「駅」みたいなことがあったら良いのに…と思いつつ、きっと会ってもお互いわからないかも、とも思う。
~その3~
社会人になり長期研修で一緒になった人はハンサムではないけど、とても話しやすくて楽しくて自然体でいられる人だった。
研修が終わる頃、勤務地も遠いしもうこれで会えないかと思うと急に寂しくなった。
電話番号と住所を交換し、またねと別れた。
1度、家に電話をかけた。お母さんが出て、今日は仕事だと言う。
手紙も書いた。
少したって返事をくれた。
真面目な律儀な人なのだ。
離れていると憧れが憧れをよび、より素敵な人に思えてくるような…
それが虚しかった。
北海道にひとり旅に出て、そこから電話した。
在宅していて話すことができた。
「お見合いの話があるの」と唐突に言ったら、「そうか!」という言葉。
研修の時に「神威岬は良いぞ!」とあなたが言ったから、北海道に来てるのよ!とは言えなかった。
その後は連絡をしなかった。
せめて当時、携帯やメールがあったら繋がっていられたのだろうか?そうしたら違う人生があっただろうか?と今のデジタルの進歩にふと思う。
~その4~
中学生の頃から憧れの俳優がいた父親くらいの俳優だったが、所作や仕草、甘い声、シュッとした顔立ち。
当時はビデオもなかったのでブラウン管に映る俳優の写真を撮った。
大人になってからも結婚してからもずっとファンで亡くなった時は本当に悲しくて寂しくて…再放送のドラマは全て録画した。
好きという意味では、その俳優が一番好きだったかも…
柏原芳恵の「最愛」のようなものである。
一番好きな人の前ではおならもゲップもできないのだから…
今、隣にいる夫の前ではおならもゲップも平気、なぜなら一番好きな人ではないから(笑)
恋と愛の違いは何か?
恋心は相手をよく知らなくも持てるけど、愛情は相手を知らなければ持てない感情だと思う。
そういう意味で夫との恋物語はない。
恋する前に夫という人間を知ったから…
#7
【真夜中】
真夜中に手紙を書いてはいけない
あまりにも本当のことを書いてしまうから
真夜中に鏡を見てはいけない
見たくない本当の自分が映るから
真夜中に電話をしてはいけない
いつか涙声になってしまうから
真夜中はやっぱり寝ているのが良い
明るい手紙を書けるから
本当の自分に気づくことはないから
明日も明るい声でみんなと話せるから
#6
【後悔】
この家に嫁いできたこと
姑の暴言や理不尽な言葉に我慢してきたこと
姑の言いなりになってきたこと
高校生の時に真面目に勉強しなかったこと
就職するとき将来を見据えなかったこと
青春といわれる時代に真剣に自分と向き合ってこなかったこと
金銭管理を怠ってきたこと
スマホやPCゲームにはまって時間を無駄にしたこと
無意識に親が喜ぶような夢を語りながら特に努力もせず、だから実現もできず
なるがまま、その時々の流れに身を任せてなんとなく生きてきたこと
私は何になりたかったのか?
何をしたかったのか?
還暦過ぎた今も人生の目標をいまだに見つけられずにいること
そして、こうして何もせず考えず生きていること
(※ 後悔 という中島みゆきの曲…大好き)
#5