【子供のままで】
親にとっては還暦過ぎようが子供は子供のままでいるようだ。それが子供には重い。
携帯にすぐ出ないからとか、何回かけても出ないとか、そんなんで心配しないでほしいのに…
たまの日曜、少し朝寝坊したら具合が悪いのか?とか死んでるんじゃないのか?とか…卒寿過ぎた親に心配されると、うっかりのんびり朝寝もできない。
子供を持って親の心配する気持ちはわかるけど、卒寿を過ぎたあなたの方がよっぽど心配ですよ。そう言ってもあなたは理解できずに子供のことを心配するのでしょうね。
もうそろそろ子供のままではいたくない、いられない。子供はそう思っているのに、親にとっては何歳になろうが子供は子供のままでいるのでしょう。
10年後、100歳過ぎてもあなたは古希の子供を心配してるのでしょうか?うっかり病気にもなれません。
親が元気でいることは嬉しいけれど、親より元気でいなければならないと思うと本当に重いです。
#4
【愛を叫ぶ】
愛を叫ぶ
心の中で
声にはしない
愛が陳腐なものになりそうで
言葉にはしない
気持ちが嘘になりそうで
音にはしない
風の音にかき消されそうで
愛を叫ぶ
目と目で
私は手を震わせて
あなたの体に触れる
あなたの手をとり
私の体の炎で温める
あなたの鼓動と
私の体温を互いに確かめ合う
愛を叫ぶ
声はいらない
互いの吐息が愛の叫びだから
言葉はいらない
感じ合う鼓動が言葉になるから
音はいらない
吹く風が2人を燃やす音になる
愛を叫ぶ
目と目で
心と心で
互いの温もりで
#3
【モンシロチョウ】
昔、息子が小学生の頃のこと。
もらったキャベツに青虫が付いていて、息子とそれを育ててみようかということになりました。
青虫の行動範囲は狭いと思い込み虫かごにも入れずキャベツ数枚と青虫をザルに入れて置いたら青虫が行方不明に(笑)
よく探したらザルの裏側でサナギになっていました。毎日眺めているとサナギの色が少しずつ変わっていき、モンシロチョウの羽の黒い紋が透けて見てるようになりました。
ある朝サナギは空になっていて蝶はどこに?とあちこち見ていたら明るい窓のそばでシワシワの羽を伸ばしているようでした。
同じようなことが何度かありましたが羽化の瞬間を息子に見せることはできませんでした。
少しでも子どもの教育に、という親バカ母親のもくろみは見事に外れたというオチでした。
#2
【忘れられない、いつまでも】
姑に言われた言葉の数々、忘れられない。なのに本人は平気な顔して何もなかったかのように頼みごとをしてくる。
「あの時あなたはこう言ったでしょ」と言ってやりたいのに耳が遠くなり、都合の良いことだけ聞こえるなんて…ストレスがないから卒寿を過ぎても元気ハツラツでいられるのだろう。こちらの体力、気力が吸い取られているような気さえしてくる。
姑からの言葉を忘れられるのは私が認知症になったときかも、と思うと忘れられる時がくるのも恐ろしい
#1