浦島低浮上

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9/11/2025, 12:16:27 PM

六日目 ひとりきり

 僕の周りにはたくさん人がいた。
それはただ、愛想良く過ごしていたからだ。皆の求める姿でいたからだ。でもそれをやめたら皆離れていった。愛想がよくないからだ。皆が求めていない、"僕"になったからだ。誰も僕を見ていなかったのだ。
僕はひとりきりだ。所詮僕はその程度なのだ。

9/4/2025, 6:12:00 AM

五日目 secret love

忍ぶれど 色にでりけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで

 とある昔、そんな詩を詠んだ歌人がいた。
どんなにどんなに隠していても、分かる人には分かってしまう。伝えたくても伝えられず、どうにもこうにも動けずに参っている。そんな恋を、昔の人もしていたのだと思うと少し、こそばゆく感じる。
 恋はなんてやりきれない。だがこの道を通ってきた足跡は、数え切れない程にある。
この道を俺も通っていく。そう思えば、なんだか勇気が湧いてくるのだ。

9/3/2025, 6:49:26 AM

四日目 ページをめくる

 本を読む。それは別に嫌いというわけではないが、別段好きというわけでもない。僕にとってはただの暇つぶしというだけだ。しかし皆は僕を文学少年と誤認したままでいる。僕を正しく理解してもらう必要はないのだ。本だってそれと同じで、隅から隅まで正しく理解する必要はないのだ。
 僕は本を読むのが好きなわけじゃない。文章を読むのが好きなだけだ。そう言い訳をしながらも、やはりページをめくる手は止まらない。

8/31/2025, 1:02:44 PM

三日目 8月31日、午後5時

 暦は「夏はもう終わりだぞ」と言っているのに、僕らはまだ夏だろうと言っている。もう晩夏だと言うのに気温はまだまだ真っ盛り。
いつか、秋を忘れてしまうのだろうか。

8/29/2025, 12:12:32 AM

二日目 夏草

 夏の暑さは、緑の独壇場だ。
日常の何気のない、ありふれた一つの色。いつも足元で勝手に生えている、ただの一色。
そんな一色が、爛々とした太陽の元では一番星として煌めき始める。靴に踏まれた小さな一色すらもが輝いているのだ。
そんな緑が、僕は好きなのだ。

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