お花屋さんになりたかったんです。
でも、だからといって別段花に詳しいわけでもなく、ただただ憧れていただけで。
漫画家になりたかったんです。
でも、だからといって別段上手かったわけでもなく、ただただ憧れていただけで。
スキーのインストラクターになりたかったんです。
でも、だからといって別段得意だったわけでもなく、ただただ憧れていただけで。
だから、今。憧れていた職業についているあなたは、
とっても素敵で格好いいです。
たくさんたくさん、努力をしたのだと思います。
血の滲むような、悔しさで潰れてしまう日もあったのだと思います。
好きで始めたことなのに、どうしてか自分には向いていないと感じることも、あったかもしれません。
でも、あなたはここまで進んできた。
夢見る心をそのままにせず、自分を磨いてきた。
夢を現実にすることの、どれほど難しいことか。
夢見る心の旅人さん。
胸を張って、今日も行ってらっしゃい。
お互いにこの歳まで独身だったら結婚しよう、なんて。
一番に仲のいい君が言うものだから、わたしは勝手に期待してしまった。今思えば、もうすでに君のことが好きだったのだから、いち早く心を明かしてしまえば、伝えてしまえばよかったのだ。
どうして躊躇ったのだろう。君を困らせたくないから?いや、違う。君に嫌われたくなかったからだ。関係を壊したくなかったからだ。男まさりのわたしに、そんな勇気はなかったからだ。
数年後、久しぶりに会った君は、すっかり父親の顔をしていた。生まれた子どもはもう3才になるらしく、大変だけれど可愛い宝物だと笑っていた。
君が幸せそうで嬉しかったし、一番仲の良い友人を祝福するのは当たり前だ。何より女であるわたしを、女ではなく彼の友人として認めてくれた寛容な奥さんには頭が下がる思いだ。
プレゼントの代わりに飯を奢り、じゃあな、といつものように手を振って、帰路についた。君がまだ独身でなくてよかった。面倒くさいわたしにつかまらなくて、本当に良かった。
この届かぬ想いは、届かぬままが一番よかったのだ。
今日の空はこんなにも快晴で、
汗ばむほどに暖かく、心地よい。
だというのに、
何の変化もない、目まぐるしく忙しい職場に篭りきり。
せっかくのお天気なのに、もったいないな。
そんなことを思いながら、心休まらない部屋の中でひとり、コンビニ弁当をつつく日々。
遠くの空へ行ってしまえたら、どんなにいいだろう。
わたしはあなたを大事にしたい。
大事にしたいから、あなたから遠ざかる。
あなたがわたしから距離を取っても構わない。
そうすることであなたが楽になるなら、その方がいい。
あなたに迷惑をかけたくない。
そうやって、逃げている。
優しさに甘えて、逃げている。
あなたがやさしいひとだから。
それに甘えて、生きている。
遠くの空は、天国だ。
わたしには、その贅沢はまだ早い。
わたしが今まで積み上げた業は、
まだ見上げるほど残っている。
わたしに傷つけられた何の罪もないあなたが、
この上ないほど幸福でありますように。
わたしはオランジェットに目がありません。
見つけると秒で購入してしまうほど、深く愛しております。
見た目も良いもので、わたしにとっては宝石を食むような心地で、嬉しくなるのです。
だから、後生です。
もうほとんど食べ尽くしましたが、ええ。
でももう一つ、あと一つだけでよいのです。
あと一つだけ、食べてもよろしいでしょうか。
最後の一つですが!