あなたがどこにいてもいい。
あなたがだれといてもいい。
あなたがなにをしてもいい。
わたしはあなたを心から愛しているし、
あなたもわたしを全てで愛してくれる。
恋人であり、相棒であり、伴侶であり、
唯一無二の片割れである。
何にも揺るがぬ愛をもって、あなたを信じている。
久しぶりに顔を合わせた時、会えて嬉しいと笑って手を差し出してくれる人がいる、ということが、わたしにはどうしても、一筋の光のように思えるのです。
隣にいてくれることは決して当たり前ではなく、そこにきちんと意志があって、隣にいることを選んでくれた。それはとても幸せなことで、ありがたいことで。
わたしも誰かの、そんな人でありたいと、思うのです。
4ヶ月前のわたしへ
お元気ですか、と聞くにはあまりにも絶不調でしたね。
どこまでも続く青い空など、見上げる余裕もありませんでした。ずっと呼吸のしにくい世界だと思いながら、灰色の硬い道を見下ろしていました。今の自分を受け入れたくなくて、ぼやけた視界と思考の中で、うずくまっておりましたから。
そこから、新しい環境に身を置いた今。
右も左も分からない、何をすればいいか分からない、分からないことが分からない、そんな怖いことだらけだったこの場所で、もう4ヶ月が経ちます。
相変わらずやれることは少ないです。人と話すのも苦手です。失敗は許されません。でも、あの時と同じ青い空を見上げる機会が増えました。
外に出るのも面倒です。暑いのも寒いのも嫌いです。でもお金がないと生きていけないので、働きに出かけています。
仕事ですか?別に楽しくはないです。仕事ですから。
でも、仕事終わりのご飯が大層美味く感じるのです。今までは食べることなんて、作業でしたから。
本当は、新しい環境に身を置けたことに感謝しなければならない立場なのでしょう。ええ、贅沢を言っております。つまらないだのお金のためだの、べらべらと御託を並べております。
でも4ヶ月前のわたしは、そんな御託すら口にする元気もありませんでした。この青い空が、こんなにどこまでも続いているのかと感動したのはいつぶりでしょう。
まだ分からないことは山ほどあるし、今までとはまるで違った仕事に戸惑っています。でも、後悔はあんまりしておりません。なんのみちしるべもないこの青い空に、飛び立てたことが素敵なことなのですから。
それだけでじゅうぶんです。だから、4ヶ月前のわたし。
おつかれさま。あとは、まかせてください。
いまのわたしより
あなたたちを祝福するようにやさしく鳴り響いた、教会の鐘の音。幸せそうに笑うあなたのとなりには、あなたにとっていちばん大切なひとの姿があった。
そこにいるのは、僕ではなかった。けれどあなたが今幸せであるのなら、それで良かった。
自宅でひとり、引き出物のバウムクーヘンを口に運んで、お裾分けの甘さを噛み締める。
言えなかった言葉ごとごくんと飲み下して、またひとくち。そうして空になった皿を見下ろしたら、ふいに眦から未練が一粒、皿の上に転がった。
年明けを告げる鐘の音が鳴る前に、僕の中のあなたにさよならをしよう。
誰に知られることもない。知る由もない。
だってもうほら、そこには何もないのだから。
今一番ほしいものですか?
健康です。
クーラーをつける時には、乾燥に気をつけて下さいね。