カーテン
人も、妖精も、魔獣も、ゴーストも、みんな寝静まった頃。私は暗い部屋の蝋燭が灯った机にむかっていた。静かな部屋にペンを走らせる音だけが響く。何も無い、ただの夜の一時。何も無いからこそ感じることだってある。
昼間はあんなに沢山の人、妖精、ゴーストたちが溢れていたメインストリートも、植物園も、広場も、今は闇と静寂に包まれている。まるで夢を見ていたような変わりように、一人だけ取り残されたような感じがした。
不安も恐怖もないけれど、一人になりたくないと思うのは、昼間隣にいてくれる彼らのおかげだろう。この感情は寂しさか。
とはいえ、夜は必ず一人になる。これは避けられないことだ。胸騒ぎを押し込むように勉強にのめり込み、問題を解く、本を読む、書き続ける。
いつだって気を抜いては行けない。
「目覚まし時計」が鳴る。いつの間にか日が昇り始めたようだ。魔獣……じゃない、我らが親分を起こさなければ。
また一日が始まる。
白いカーテンをぬける光だけが、静かに降り注いだ。
涙の理由
大事にしていた簪が折れてしまった日
頭から水をかけられた日
崖から落ちて大怪我をした日
ナイフで刺された日
海に放り出された日
仲間と別れた日
嵐の中に投げ出された日
高熱で死にかけた日
仲のいい知り合いが死んだ日
君がいなくなった日
どんな時も泣かなかったけれど、私が泣くのだとしたらきっと。涙の理由は君たちとの思い出。
そして作者の涙の理由は最近書く時間が取れてないこと……絶対前回の2テーマ今度書くから!
束の間の休息
ココロオドル
力を込めて
「お守り」と呼ばれるものに、効果はあるのだろうか。それは神や仏や精霊たちが、力を分けてくれたのかもしれないし、ただの人間の盲信なのかもしれない。それでも、「お守り」があることで心に力が与えられるのは、人間が気分次第でポテンシャルが一転するような単純なものであることの強みなのかもしれない。
彼らはどうだろう。
私のそばにいるあの人やこの人には、「お守り」の効果はあるだろうか。もしあるのなら、健康祈願や安全などの「お守り」を買ってやらないことも無い。うん、彼らには生きていてもらわないといけないから、いつか聞いてみようか。
色々な場所で売っている「お守り」だけれど、もし、効果が持ち主の気持ち次第だと言うのなら、私の力をそこに込めようか。きっとその辺のものより、効果はある筈だ。
いつかの記憶と、感情と、人生と。
そのすべてをかき集めた力を込めて。
君たちの幸せを願う。