ありがとう
世界線はa21「世界線は気にしないでください」
今日はバレンタイン。チョコやお花を大切な人に上げるとっても素敵な日。だから私も弟とストーカーさんに何かあげようかと思ったの。
弟はお菓子とかは嫌いな子だから花束を上げたい所なんだけど弟は今絶賛留学中だから千日紅をプリザーブドフラワーにして弟がいるフランスに送りましょう。ストーカーさんは確か甘いものは好きだった筈だからチョコレートケーキでも作りましょう。
思い立ったが吉日とすぐに作り始める。
「えっと···チョコレート···あとは」
材料を揃えると早速チョコレートケーキの生地作りに入るわ。まずは···
4時間後
「···どうしましょうか」私はチョコレートケーキを作ってた筈なのだけれど目の前にあるのは真っ黒焦げになってしまったチョコレートケーキ。
焼いてる途中でうたた寝してしまったのがいけなかったのは分かっているの。でも待ってる時って眠くなっちゃうものじゃない?だからこの焦げたのは私が責任取って後々食べるとして、ストーカーさんにあげるチョコレートケーキをどうするかなのよね···材料は足りないし時間も無い。
「·····ストーカーさん。」私はストーカーさんから貰った監視カメラ付きのぬいぐるみに話し掛ける
「あのね、チョコレートケーキ焦がしちゃったのよ。だからね今から市販のチョコレートケーキ買ってくるわね···良ければ一緒に食べましょう。待ってるわね」私はそう言って外出する準備をする。
けれど私が行く前に玄関のドアが開く。
息を切らしたストーカーさんが私の目の前に来て
「け、ケーキ···チョコレートケーキ買ってきたから···一緒に···」ストーカーさんの顔は林檎よりも真っ赤になっていた。そんなストーカーさんが可愛くて少し笑いながら
「ありがとう。一緒に食べましょう。」
やっぱりストーカーさんは優しいわね。
「ハッピーバレンタイン、ストーカーさん」
そっと伝えたい
世界線a21「世界線は気にしないでください」
彼女に愛の告白をしたい。
今まで何億回も思った事だ。彼女を抱きしめて愛を囁けれればどんなに幸せだろうか。でもこんな僕が彼女に愛を囁く、いや触れることすらおこがましいのに···なんて身の程知らずなのだろうと自己嫌悪に陥る。叶う事ならこの気持ちをそっと伝えるだけでもいいから伝えられたらどんなに幸せか
未来の記憶
世界線はt72(世界線というのは気にしないでください)
夢を見た。とっても素晴らしい夢だった。愛おしい彼女と僕が一緒に歩いていて彼女の腕には僕との子供が抱かれている。彼女は僕に笑いかけて手を繋いでくれる。左薬指には銀色に輝く結婚指輪を付けていて。なんて素晴らしい夢だろうか。きっとこれは未来の記憶だ。彼女と結婚して子供をもうけると言う暗示なのだろう。
あぁ、なんて素晴らしいんだ。
ココロ
世界線はt72(世界線は気にしないでください)
僕にはココロが無いとよく言われた。とても心外だ。
確かに殺しに躊躇が無いけどそれだけでココロが無いだなんて失礼だよ。それに僕にだってココロはある。何故なら絶賛恋してるんだから。
知ってる?恋ってとっても苦しくて幸せなんだよ。
彼女に会えないと苦しくてつい何時もより殺しちゃうし、会えたら嬉しくて 堪らず彼女に抱きついてしまう。その度に義兄さんに弾撃ち込まれるんだけどね。とにかく恋してるんだから僕にだってココロはあるって事。特にココロ動かされた時はやっぱり彼女に左腕をもぎ取られた時さ。あの瞬間は忘れられない。あの時、あの瞬間こそ君に恋したんだ。君のあの瞳は美しかった。それに君の能力も僕は評価しているんだ。あの実験に耐えられるというだけでも凄いのに自我を取り戻すなんて···やっぱり君は選ばれた存在で僕の運命だ。君だけが僕のココロを動かして、切り開いてくれる。そう言って彼女にプロポーズしたら義兄さんに弾を撃ち込まれたけどね。義兄さんにも認められるように日々精進しなきゃ。
待っててね今日も君にプロポーズするから。
今日の花束は綺麗な赤い薔薇を包むから楽しみにしてて。
星に願って
世界線はt72(世界線と言うのは気にしないでください)
「今日は流れ星が流れるんだとよ。夜起きて一緒に見るか?」昼下がり、兄は私の髪を櫛でとかしながら言ってきた。私は勿論頷く。すると兄も嬉しそうに「そうか、なら今日は特等席を用意しといてやるよ」兄はそう言いながら私の髪をとかし続けた。
思えば流れ星なんて何時ぶりだろう。前までは追われて夜空を見る暇すらなかったし、孤児院の頃は窓から少しだけ見たことがあるだけだ。
きっと流れ星は綺麗なんだろうな。
いっそ流れ星を瓶にでも詰めれたらいいのに。···いや、流れ星は流れているから綺麗なんだもんね。閉じ込めたら可哀想。でも兄は私が欲しいと言えば容赦なく瓶に閉じこめるだろうなと思い少しクスッとなる。
そして夜。兄は私を人が全くいない丘に連れてきた。「ここなら誰もいないし追ってに見つかる程開けているわけでも無いから安心して見れるぞ」兄はそう言って私を膝の上に座らせると目線をあげる。
私も夜空に目線をあげると流れ星が流れ始めた。
私は歓喜に震える。兄もきっと見惚れているだろうと兄の顔に視線を移すと兄は流れ星ではなく私を見ていた。私がなぜ?と言わんばかりに見つめると兄は「あー···流れ星より俺はお前の方が綺麗だからなぁ」兄は誤魔化すように私の頭を撫でる。
「······もう」
兄はそう言う人だ。兄から視線を移して流れ星を見るため夜空に再び目を向ける。
ひゅんひゅんと流れる流れ星はやはり神秘的で美しい。
私は目を閉じるて願い事をする。
どうか兄が私なんかに囚われず幸せになれますように
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