星に願って
世界線はt72(世界線と言うのは気にしないでください)
「今日は流れ星が流れるんだとよ。夜起きて一緒に見るか?」昼下がり、兄は私の髪を櫛でとかしながら言ってきた。私は勿論頷く。すると兄も嬉しそうに「そうか、なら今日は特等席を用意しといてやるよ」兄はそう言いながら私の髪をとかし続けた。
思えば流れ星なんて何時ぶりだろう。前までは追われて夜空を見る暇すらなかったし、孤児院の頃は窓から少しだけ見たことがあるだけだ。
きっと流れ星は綺麗なんだろうな。
いっそ流れ星を瓶にでも詰めれたらいいのに。···いや、流れ星は流れているから綺麗なんだもんね。閉じ込めたら可哀想。でも兄は私が欲しいと言えば容赦なく瓶に閉じこめるだろうなと思い少しクスッとなる。
そして夜。兄は私を人が全くいない丘に連れてきた。「ここなら誰もいないし追ってに見つかる程開けているわけでも無いから安心して見れるぞ」兄はそう言って私を膝の上に座らせると目線をあげる。
私も夜空に目線をあげると流れ星が流れ始めた。
私は歓喜に震える。兄もきっと見惚れているだろうと兄の顔に視線を移すと兄は流れ星ではなく私を見ていた。私がなぜ?と言わんばかりに見つめると兄は「あー···流れ星より俺はお前の方が綺麗だからなぁ」兄は誤魔化すように私の頭を撫でる。
「······もう」
兄はそう言う人だ。兄から視線を移して流れ星を見るため夜空に再び目を向ける。
ひゅんひゅんと流れる流れ星はやはり神秘的で美しい。
私は目を閉じるて願い事をする。
どうか兄が私なんかに囚われず幸せになれますように
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2/10/2025, 10:19:38 AM