【ココロオドル】
今まで嬉しかったことがないから喜び方を知らなかった
教わってないから怒り方を知らなかった
心臓を刺す言葉を受けると哀しいと感じるらしい
それだけは僕が1番詳しい自信があった
だからそれ以外の感情は知らなくたっていいでしょ
感情がこんなに苦しいものなのに他にも知りたくない
でも出会ってしまったんだ
機械のきみが僕に教える楽しい歌
こんなに晴れやかな気持ちがあるなんて
知ってしまった怖さと
束の間だとしてもこの感覚に浸かりたい想いで
揺れる様さえもリズムに乗っているようで
これがココロオドル楽しいという感情なんだ
2024-10-09
【束の間の休息】
首根っこを掴まれて海面に押し付けられる
終いには押さえつけている手さえ億劫になって
海の中へ放り投げる
誰の声も誰の感触も無かったけど
首の痛みと喉まで込み上げる何かの
痛みが無いのならこれでも良いと
自分から空気が抜けていくのをただ見ていた
もう誰にも見つからないと思っていたのに
もう苦しく無いと思っていたのに
きみが僕を見つけて優しい息を分けてくれるから
ずっと抜け続けていた酸素が涙に変わって溶けていく
きみといる時だけがきみの声を聴ける時だけが
僕にとっての息継ぎだ
2024-10-08
【力を込めて】
僕の周りには何一つ形のあるものは
存在しない空間が広がっていた
だからこそあの遠くの星がよく見えるし
僕の発した声は大きく響く
だから何したってどうせ気づかれないなら
腹に力を込めて目一杯きみへの想いを叫ぶのです
2024-10-07
【過ぎた日を想う】
遠い遠いあの日々は現実世界では
思い出したくも無い記憶しかないのに
どうしてかきみが関わった思い出だけ
色づいて煌めきが見えるほど
きみとの邂逅はいつ思い返しても
安らぎを与えてくれる
2024-10-06
【星座】
うずくまって腕の中に閉じこもって
その中でできた暗闇にひとつの光が差した
それが始まりだった
それからぽつりぽつりと光が増えていって
しばらくすると光同士が繋がり始めた
あれが遠くにいる誰かだということはわかっていた
それなら僕も向こう側から見たら光っているのだろうか
それなら僕がずっと誰とも繋がれないのは
繋げられないのは
今まで人を拒絶し続けてきた罰なのだろう
ずっとずっとこの夜空を見守り続けて
気がつくと星は四方八方に広がり
また、点と点の繋がりも増えていた
ここに取り残されているのは僕だけだ
美しくも儚く映るその星々に
どうしたら追いつけるだろうか
誰よりもきみの為に成長した姿を見せたいから
僕も自ら光れるように
2024-10-05