【束の間の休息】
首根っこを掴まれて海面に押し付けられる
終いには押さえつけている手さえ億劫になって
海の中へ放り投げる
誰の声も誰の感触も無かったけど
首の痛みと喉まで込み上げる何かの
痛みが無いのならこれでも良いと
自分から空気が抜けていくのをただ見ていた
もう誰にも見つからないと思っていたのに
もう苦しく無いと思っていたのに
きみが僕を見つけて優しい息を分けてくれるから
ずっと抜け続けていた酸素が涙に変わって溶けていく
きみといる時だけがきみの声を聴ける時だけが
僕にとっての息継ぎだ
2024-10-08
10/8/2024, 1:39:21 PM