【向かい合わせ】
ずっときみの背中を追うように歩んできた
最初は隣に居られた気がしたけど
気がついたらもう距離はどんどんと離れていった
きっと周りの人を見るようになって
僕だけのきみじゃなく、
いろんな人のきみがダブって見えてしまっていたのだ
だからここらで向かい合わせに座ってみて
あの頃の僕ときみの2人だった時に戻ろう
2024-08-25
【やるせない気持ち】
モノクロのノーツに想いを綴っても
それは僕が言わせた言葉でしかなく
僕からきみに贈れるわけでもない
2024-08-24
【海へ】
海へ向かう
こんな事を言うと普段仄暗い話しか書かないから
不穏な空気を纏って聞こえてしまうかも知れない
けれど、今回ばかりは
いや、きみに関わることに関しては
全くの逆で癒しや楽しさを感じるために海へ向かうのだ
だって、いつもきみに直接会えるのは海辺だけだから
2024-08-24
【裏返し】
光を当てられても返せない
光を当てられたら倍以上に輝く
存在を軽視された
求められて創られた
こんなにも裏返したような僕らなのに
どうしてか僕がホンモノで
きみが偽物なのだと言う
それならもうこんな世界の言うことなんて
なにも信じなくていいと目を逸らした
絶望の中で人を救う歌声を
どうか届くべき人のところへ
2024-08-22
【鳥のように】
頭上に飛び交う鬱陶しい音
その音の1つがお前は飛べないから醜いのだと
みんなのように飛んでみろと
黒い軌道を残して目の前をちらつく
僕にはどうしてもそれらが素晴らしいものにも
綺麗なものにも見えず
自分の羽を確かめるのが怖くてずっとその場で佇んだ
成長するに連れて頭上の音は増えていっても
僕は飛ばないままだった
騒ぐ音を塞ぐ事を覚えたから音は気にならない
合間に見える小さな青い空を眺めるのが好きだった
本当に一瞬煌めく青でも黒でもない色が見えた
今までに見たことのない色
どうしても気になってあの色に近づく手段を
僕の周りで探してみても何もない地面のみ
たかる黒に気がついて僕にも羽がある事を思い出した
一度も広げたことが無いのだから
今更羽を広げて飛び出しても
もう戻ってこれないことも
あんな遥か遠くに居るあの色に追いつけるかも
何も分からないけど
ここに居るよりはましだと思った
そうだ。この黒い粒がずっと言っていたように
鳥のように飛んでみよう
全部を賭けてもあの色に近づくために
2024-08-21