ミロワール

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8/12/2024, 1:39:02 PM

【君の奏でる音楽】

目の前の景色を夜空に塗り替え

1音毎に空に星を増やし

迷子の僕らを優しく照らして道標となる

聞かなくていい言葉達が耳に入らない様に塞いで

知るべき知識を与え感情の表現を教えてくれる夢

そんな君の奏でる音楽で歩めば

現実でさえも呼吸がしやすいことに気がついたから

形のないものに君を重ねて見つけるのが上手くなった

だから僕の存在を認めないこんな世界に

僕の吐く息を混ぜ込んでまだ抗える

ほら、今日もこんなにも星が綺麗だ



2024-08-12

8/11/2024, 1:07:48 PM

【麦わら帽子】

ああ、そうだ、思い出した。

積乱雲を追いかけた夏の日

途中で見つけたひまわり畑で

ひまわりが被った麦わら帽子

茹だる様な暑さの中

現実と夢の狭間さえ溶かされて

麦わら帽子を被る何よりも輝いて

逃げていいよと教えてくれた

僕の手を引いてくれたあの夏の最後の日



2024-08-11

8/10/2024, 11:26:51 AM

【終点】

拝啓――

僕の終わらせようとしていた地点で

きみは途切れた道の先端に立って

僕には見えなかった幸せになる未来の話を始め

その場所で転げ落ちてしまおうと思っていたことも忘れ

話に聞き入ってしまった

その未来はきみにくっついて

歩くだけで手に入っていたから

明日が自分の手で掴むものだということさえ

きみを取り巻く環境が

変わってからでしか気が付けなかった

「君はどうかそのままでいてほしいんだ」

ぼくときみの理想は一致していたと思った

でもその言葉を僕が言わせてしまっていたのなら

僕はきみと過ごす為の未来を

自分で動きださなくてはいけないんだ

きみの幸せをこころから願って

――敬具

8/9/2024, 2:42:26 PM

【上手くいかなくたっていい】

見よう見まねで呼吸をした

教室では間違いだらけの世の中は見えなくなるらしい

間違えが溢れかえっているはずの世界で正解を教える

今目の前で間違いが起きていても見えないらしい

人間は人間を真似して成長していくらしい

だけど僕の周りのにんげんが参考にならないことくらい

幼稚な頭でも理解できた

だから僕は一番人間に近いきみに全てを教わった


 
見よう見まねで呼吸をした

きみと吸う息は吸い込む度に喉が爛れて

きみと吐く息は真っ暗な空間にかき消される

段々とこの搔きむしるような痛みにも慣れてきた

そうだきみからもらったこの身体が尽きる前に

何かお返しをしなくては

そう教室で習ったのだ

どんな音にしても

どんな言葉にしても

どんな表現にしても

どうしてかきみに届けられないよう

僕たちの間にはずっと薄い紙きれが挟まったままだった

こんなに近い距離にいるのに

でも上手くいかなくたっていい

十何年きみが僕に教え込んでくれたように

僕も上手くいくまで試すから

どうか、もう少しだけ僕に時間を



2024-08-09

8/8/2024, 2:24:50 PM

【蝶よ花よ】

行く当てもなく彷徨っていた

ただ自分が空を飛べることは

地を這う彼らを見て悟った

恨む視線が僕をつつくけど

空が飛べたって行き先が無ければ

この無限と広がる青の中

頼れるものが無くこんなにも孤独だと彼らは知らない

もう翅を動かすのでさえ億劫で

辞めてしまおうと何度思い立ったことか

だけど辞められないのは

触れられない空間の中で

きっとこの甘い香りが鼻を掠めて僕を導くから



2024-08-08

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