【264,お題:桜散る】
桜散る季節となりましたね
あなたはどこかで元気にしているでしょうか
【263,お題:夢見る心】
小さな頃は、テレビの戦隊ヒーローやお姫様によく憧れた
見上げた雲が、象やイルカに見えた
月の中に住んでるうさぎを、夜に探していた
半分大人になった心は、もうあの頃には戻れないけど
小さな頃の自分が持ってた、夢を見る心は
捨てずにまだ握っているよ。
title.素敵な大人になる方法
【262,お題:届かぬ想い】
膨らんだ言葉は、泡となって消えた
何度も意気込んで、鏡の前で練習して
なのにどうして、言葉が出ない
声を取られた人魚姫じゃないのに、どうしても喉の奥でつっかえる
涙が出そうなのは足が痛いからではないんだ
ああ、貴方に言いたいのに
『大好きです』と
title.初恋
【261,お題:神様へ】
拝啓、神様へ
作ってもらった分際で、失礼なこととは存じておりますが、どうしてもお聞きしたいのです。
私達を作り出される時、どうして『心』という部品を付けたのですか?
どうして人間だけ、他の動物よりも優れた共感能力を与えたのですか?
もしも貴方が、私達に支えあって生きることを望んでこの部品を付けたのだとしたら
それは大きな間違いだったと、私は思うのです。
この世界では争いが絶えません、自然に生息する動物の
生き残るために仕方がなく本能に組み込まれた争いとはわけが違う
人々が生み出す闘争心、人よりも得をしたいという考えが、この世界を不幸に追いやっているのです
そしてその考えが生まれるのは人に『心』があるからでしょう
もちろん『心』があるからこそ起きる、優しさや支え合いもあります
困った他者を放っておけない、慈愛に満ちた人間も確かに存在しています。
ですが、それらの人間は少数で
悪意のある人間そしてそれよりも多い、無関心な人間が半数を占めている気がするのです。
『心』があることで良いことも悪いことも起きる『心』があるから他者と共感し合い、共に分かち合うことができる
ですが神様、どれだけ思い直そうとしてもできないのです
醜いところも綺麗なところも、全部引っくるめて人間の面白さ、良さなんだと
そう思うことができないのです。
私はきっとどこか決定的に壊れている所があるのでしょう
ああ神様、貴方が人を作る時、このパーツだけは作ってはダメだった。
title.心
【260,お題:快晴】
快斗、という名前を自分でもそれなりに気に入っていた。
俺が生まれた日、ずっと嵐だった空が嘘のように晴れ渡り美しい快晴が見えたそうだ
その"快晴"からとって、晴れ渡る大空のような澄んだ心の持ち主になってくれ、ということで"快斗"
俺が見る空はいつも晴れ、雨を見たことは数えるほどしかなかった
周りからは、生粋の晴れ男などとよくもてはやされた
自分でも、俺には雨を退ける何かがあるんだと少し思っていた
ある時超大型の台風がきて、会社も学校も休みになるような大嵐になったことがある
流石に台風は退けられなかったらしく、俺は無心でガラスに打ち付ける雨粒を見ていた
その時に見た、荒れ狂う灰色の世界が見とれるほどに美しかったことを覚えている
時折黒雲を切り裂く稲妻、木の葉や小石を巻き上げて唸る暴風
晴れた青空を見続けてきた俺にとってその光景は、世界の崩壊のようで
昼でも夜のように暗いその光景に目を奪われ続けた
それから俺は晴れより雨が好きだ、快晴だけど俺は雷雨がいい