灯月

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6/10/2025, 6:06:24 AM

「どうしてこの世界は」

どうしてこの世界は
こんなにも優しくて、苦しいのだろう。

朝の光に目を細めた瞬間
ただそれだけで満たされる心がある。
なのに、ふとした言葉で傷ついて
もう何も信じられなくなる日もある。

小さな手で触れた花に
「きれい」と思えたその気持ちを
いつから私は遠くに置いてきたのだろう。

だけど
胸の奥がふと揺れる時
見えない糸で誰かと繋がっていると感じる。

ああ、きっとこの世界は
わからないことだらけでいい。
それでも大切なのは
いつも静かに、そばにある。

6/7/2025, 5:11:35 AM

「さあ行こう」

胸の奥、そっと灯る光
静寂の中にある 忘れられた聖域
星々の記憶が 道しるべとなり
いま、心の扉を開く

ゆく先は
はじまりよりも古く
未来よりもやさしい場所

6/6/2025, 2:01:35 AM

「水たまりに映る空」

ふと足元を見ると、
雨上がりの水たまりに空が映っていた。

手に届くはずがないあの広さが
こんなにも近くにあることに
胸がふるえる。

はじまりは、いつも小さな揺らぎ。
静かに波紋を描きながら
内と外が溶け合っていく。

あの雲の向こうに呼ばれている気がした。
だけど、急がなくていい。
源は、すでにここにある。

ふたつの力がひとつになったとき
私のなかの空もまた、広がりはじめる。

6/4/2025, 1:30:51 AM

「約束だよ」

忘れてしまいそうなほど、優しい約束だったね。

声に出さなくても、あなたの中でちゃんと芽吹いていた。

気づいた時にはもう、道ははじまっていたんだよ。
見えなかっただけ。

誰かの言葉じゃなく、心の奥でいちばん素直な場所が、そっとうなずいた瞬間を、あなたはまだ覚えている。

だから、信じていて。
疑いそうになったら、静かな時間の中で手をあててごらん。

あのとき交わした目に見えない約束は、ちゃんと、ここにある。

ーーねぇ、大丈夫。
忘れてないよ。
約束だよ。

6/3/2025, 8:23:44 AM

「傘の中の秘密」

雨の日は、世界が少し静かになる。
足音が吸い込まれて、
景色が水彩画みたいにぼやけて、
まるで、自分の呼吸だけが確かに響いているような気がする。

今日はひとりで歩いているけれど、
傘の内側は不思議と温かい。
この小さい空間にだけ、
ほんの少しの誇りと秘密をしまっている。

誰にも見えないところで、
私は私の道を、静かに磨いてきた。
ひとつずつ、ていねいに。
派手ではないけれど、確かな手応えがある。

外から見れば、ただの雨宿りかもしれないけど、
この傘の中で私は、
自分の力と向き合っている。
頼るよりも信じるほうを選んだ、あの日から。

雨が上がる頃、きっとまた、
新しい空の下で歩き出せる。
今はそれで充分だ。

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