灯月

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9/5/2025, 5:26:41 AM

【言い出せなかった「想い」】

彼はいつも堂々としていて、周りの人々を惹きつける不思議な力を持っていた。
その姿を見るたびに胸の奥が熱くなるのに、言葉にできない想いが喉元で揺れて消えていった。

日々の中で彼を見つめながら、心の中では何度も「好きだ」と呟いていた。
だけど、もし伝えてしまえば、今の関係が壊れてしまうかもしれない。
その恐れが、私の言葉を縛りつけていた。

けれど不思議と、彼と目が合うたびに心が震える。
その瞬間、言葉を超えた何かが確かに通じ合っているように感じるのだ。

まだ伝えられない「想い」。
けれど、私の中で無限に広がるこの感情は、いつかきっと言葉になる。
その日を信じながら、今日も彼の横顔をそっと見つめていた。

9/4/2025, 7:06:28 AM

【Secret Love】

誰にも言えない気持ちが、胸の奥で静かに育っていた。
それは花のように咲き誇ることを許されず、言葉にすれば壊れてしまう儚いもの。

彼女は不器用に微笑みながら、ただ遠くから見つめていた。
心の中では千もの言葉を練習しても、声に出す勇気はまだない。

そんな彼女の姿は、どこか幼い無邪気さを残していた。
けれど、その無邪気さこそが彼女の強さでもあり、淡い想いを守る盾でもあった。

秘密の恋は、熟練した職人の手仕事ののように、ひとつひとつ積み重なれていく。
外には見えないけれど、心の中では確かに模様を描いている。

やがてその想いが表に出る日が来るのか、それとも永遠に秘められたままなのか。
それはまだ誰にも分からない。
ただひとつ確かなのはーー彼女の世界はその秘密の愛によって、静かに色づいてるということ。

9/2/2025, 4:01:30 AM

【夏の忘れ物を探しに】

夕暮れの港町。潮の香りに包まれながら、彼女は小さな旅支度を整えた。
胸の奥に残る「大切な何か」を探すために、遠くに向かう決心をしたのだ。

不思議なことに、そのきっかけは夢の中にあった。
夜ごと現れる光の扉。そこには未来へ続く合図のように、ひとつの道が示されていた。
扉を開けるには勇気が必要だと分かっていたけれど、彼女はもう迷わなかった。

やがて、静かな波に揺られながら船は進む。
心に巣くっていた重さは、潮風に溶けていくようだった。
きっとこの度の先で、夏に置き忘れた希望を見つけられる。

そう信じて、彼女は海の向こうへと目を凝らした。

8/31/2025, 11:26:01 AM

【8月31日、午後5時】

夕暮れの光が街を黄金色に染めるころ
時の境目に立つような感覚が訪れる。

遠い記憶のかけらが、風に混じってささやき
胸の奥に響く音色は、どこか懐かしくも新しい。

いくつもの瞬間が重なり合い
過去と今と未来がひとつに溶け合っていく。

見えない導きは静かに背中を押し
まだ知らない道へと向かわせる。

午後5時の空に漂うその約束は
きっとこれからの自分を照らす灯火になるのだろう。

8/24/2025, 1:57:34 PM

【見知らぬ街】

見知らぬ街の路地に立つ
行き場をなくした船のように
ためらいは足を重くする

道端に積まれた古い石のように
教えはそこにあるのに
心はまだ受け入れきれない

拙い手で積み上げたものが
形にならず崩れかけても
それこそが旅の始まりだったと思い出す

見知らぬ街は
私を試す問いかけであり
同時に
新しい歩みを照らす灯りでもある

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