#17 「飛べない翼」
全ての人間には翼が生えている
私にも翼が生えている
飛べない翼などきっとない
今はその翼の動かし方が分からないけれど
いつかきっと分かる日が来る
動かし方さえ分かればこっちのもんだ
どこまでもどこまでも飛んでみせる
#16 「脳裏」
今日バイトで社員さんから「注意」と「アドバイス」の中間くらいの指摘を受けた。
次から気をつければどうってことないことなのに、シフトが終わって家に帰ってきてからも何度も何度も頭の中で反芻される。その時の社員さんは口調も表情も柔らかかったし、指摘された内容も大したことないものだったのに、脳裏に焼き付いて離れない。
これがなぜなのかは分からないが、こういうことがたまにある。随分前に受けた注意が突然鮮明に思い出されたり、他の人が全く気にしないような注意を深く気にしてしまったりする。
嫌な記憶はすぐに消えてしまえばいいのに。楽しい記憶や嬉しい記憶だけで満たされたい。そう思えば思うほど苦い記憶はこびりついて消えていかない。
些細なことで、まるで自分を丸ごと否定されたかのように傷ついてしまう自分が情けなくなってくる。「そんなことで落ち込んでるの?」とか「甘えるな」とか言われるのが怖くて、落ち込んでいる様子を家族や友達に見せることはせず、基本的に自分ひとりで抱え込んでしまう。それも私の悪いところだ。お風呂に入って声を殺してひとりで泣いたり、ベッドに入ってから静かに枕を涙で濡らしたり。
誰かに助けを求められる人になりたい。
ちょっとやそっとのことでは動じない強い心を持ちたい。
暗い記憶が埋め尽くされるくらい、明るい記憶を増やしていきたい。
#15 「意味がないこと」
「どんな経験もいずれ役に立つ日が来る」というのはよく聞くが本当にそうだろうか
私はまだ信じていない
#14 「あなたとわたし」
あなたとわたしは似ているけれど似ていない
あなたの推しはわたしは苦手
わたしの推しはあなたは苦手
あなたが苦手な食べ物はわたしの好物
わたしが苦手な食べ物はあなたの好物
あなたが苦手な教科はわたしの得意教科
わたしが苦手な教科はあなたの得意教科
あなたはポジティブでわたしはネガティブ
あなたは社交的でわたしは内省的
ずっと一緒に過ごしてきたわたしたち
周りからは似ていると言われるわたしたち
でもこんなにも似ていない
正反対だから支え合える
正反対だから発見がある
正反対だから一緒にいられる
あなたとわたしは何年経っても親友だ
#13 「一筋の光」
大好きなバンドがいる。そのバンドは年明けにツアーを控えている。先輩も好きなバンドなので「一緒に行こうね」と言っていたが先行1次抽選は私も先輩も落ちた。「一般抽選は絶対勝ち取ろうね」「そうですね、絶対絶対勝ち取りましょ!」と先輩と喋っていた。しかし、いつまで待っても一般抽選のお知らせが来なかった。「え、このまま一般抽選ないとかありますかね?」「私もなんかそんな気がしてきた」と私たちは不安で仕方なかった。
先行1次抽選の落選のメールが来てから2週間ほど経ったとき、先輩から突然LINEが来た。「先行2次のお知らせ来た!!」
私と先輩の間に差した一筋の光だった。2人ともすぐさま応募した。
先行2次抽選の結果発表は明後日。果たして、私たちはライブに行けるのだろうか。