#22 「宝物」
「あなたの宝物はなんですか?」
こう聞かれてぱっと答えられる人は世の中にどれだけいるのだろうか。
少なくとも私はすぐには答えられない。きっと考え込むだろう。
命?家族?お金?推し?友達?ペット?恋人?賞状やメダル?アルバム?
私の宝物、、一体なんだろうか。
命は大切だ、命を大切に、と誰もが幼い頃から教わってきただろう。
命がなくなったら、もうそこで人生は終わってしまう。
では命が宝物なのか?
いや、そうではない。
自分の命に変えてでも守りたいものが私にはある。
私の宝物、、やはり考え込んでしまう。
今の私には答えが出せない問題だ。
いつか答えが見つかるのだろうか。
#21 「たくさんの思い出」
「さよならぼくたちのようちえん」という歌がある。
幼稚園や保育園の卒園式でよく歌われる曲だ。保育園の場合は「さよならぼくたちのほいくえん」に歌詞を変える。
この歌が大好きだ。歌詞が沁みる。とは言っても、私はこの曲を卒園式で歌ったわけではない。私は年長になる年の春に引っ越しをした。転園した保育園の卒園式ではこれとは別の曲を歌った。この歌を好きになったのは、引っ越す前の保育園の卒園式で姉が歌っていたから。当時は歌詞なんて何も考えずにうろ覚えの状態で口ずさんでいた。
小中高すべての卒業式でこの曲が頭に浮かんだ。改めて歌詞をよく見てみると本当にいい歌だなと思う。保育園時代に見た景色がブワッと思い出される。引っ越してきたばかりの私に話しかけてくれたあの子、元気かな。一緒におままごとをしたあの子は、今どこで何をしているのだろうか。あぁ、みんなに会いたいな。
#20 「冬になったら」
私は冬が好きだ。
楽しみが多すぎるから。
クリスマスもお正月もある冬が好き。私の誕生日だって冬だ。豪雪地帯に住んでいて、雪がたくさん降るのも好き。雪かきだって好きだし、ストーブの前でアイスを食べるのだって好き。
子供じみた理由しか並んでいないと思われるかもしれないけれど、 それでもいい。ただ冬が好き。
天気予報では明日は雪。楽しみで仕方がない。
#19 「はなればなれ」
大人になってもずっと親友だよ!
そう約束した子がいる。名前はサキ。
サキとは小学校6年間ずっと同じクラスだった。名簿が前後で、家族ぐるみの付き合いがあった。いつも一緒だった。
昨日、パラパラとアルバムをめくっていたら、小学校の修学旅行の行きの新幹線でサキと私がとびきりの笑顔でピースしているツーショットがあった。ふと、私たちの頭部に目がいった。お揃いのピンをつけていた。ミッキーの柄の水色のピン。それを見て思い出した。誕生日とか特別な日ではないのにサキが「お揃いにしよー!」とくれたピン。写真を見るまで完全に忘れていた。あのピンは今どこにあるのだろうか。
サキは中学校も同じだった。クラスは一度も一緒にはならなかったが、中学2年、3年の時はサキが1組で私が2組だったので、しょっちゅう1組と2組の間の壁際で立ち話をしていた。
高校で初めてサキとはなればなれの日々を送ることになった。私は高校でスマホデビューを果たしたので、サキのLINEは友達伝いにもらった。初めは嬉しくて沢山LINEをしていたが、高校生活に慣れてくる頃にはほぼゼロと言っていいほどLINEでの会話はなくなった。至極当然なことだとは思う。私が高校で新しい友達が増えたように、サキもきっと友達が増えた。会うことがなくなれば会話も減る一方だと思う。
高校3年生の模試の時、サキに会った。市内の高校生が大学に集まって行う模試だった。模試が終わって、帰宅しようと荷物を整理している時、視線を感じた。顔を上げると、視線の先に彼女の姿があった。視線の先、と言ってもかなり距離はあった。模試で混雑していたし、何より遠すぎたので、見間違いかとかと思って1度目を逸らした。もう一度見て、やはりあれはサキだと確信した。大きく手を振った。サキも大きく大きく振り返してくれた。それだけで、「あぁ、私たちの仲は変わっていないんだな」と思えた。なぜだか、そう思えた。
会えなくても、はなればなれでも、私たちはずっと一緒だった。心はずっと繋がっていた。
そして今、私たちは大学生になった。大学は違うけれど、2人とも地元に残っている。もっともっとサキとの時間を大切に過ごしていきたい。
#18 「また会いましょう」
遠くへ行ってしまったあの人
簡単には会えないところへ行ってしまったあの人
また会えるかな
きっと会えるよね