あいつは使えないな、
そう言う声がたまたま耳に入りました
ロッカールームです
思っているより仕事が遅かったのでしょうか
資料を渡す時の顔が生意気に見えたのでしょうか
教養のなさが伝わってしまったのでしょうか
心がズキズキして
時計の針を一気に巻き戻して
小さく柔らかな個体へ移り変わり
お母さん、と呼びたくなりました
そんな切なさを抱きました
私が誰よりも知っていることでした
今日も聞こえないフリをして働いています
誰かになりたい
変われるなら変わりたかった
ニュースで見る同世代は天才と騒がれ
私の一年分の役目を1日にして為すようでした
なんなのでしょうか
私って
希望をなくすのは早いと言われる年からは
いつしか遠ざかり
どんどん遠ざかり
期待も落胆も
何も聞こえなくなりました
今日の世界は混乱していて
社会は終わりそうで
私の座る場所はどこにもありません
ただ立ち尽くすしかないから
立っているのです
役割など考える暇もなく
私が私として
仕方なく立っているのです
そこに何の余地もないのです
ーーーーーーー「木枯らし」
寒いと心も寂しくなりますね、
あったかくして過ごすほうがいいかもしれません、、、
夢を見てたい
見ていたかった
1月の日本海は思うより穏やかだった
雪国のけわしい冬ににあわず
ざぱん、ざぱん
やさしく私の心ごと打ち返した
そこに、同じ海に君はいたのかもしれない
また新しい波がくるらしい
もうどんな絵を描いていたのか覚えてない
いまは、私と海がそこにある
きっとまた誰かが訪れて夢のつづきを描いていく
描いて、描いて
さらわれてもまた描きなおす
それができなくなったとき
さらわれて二度と戻らない想いに気がつく
そうして1つの、夢の終わりを実感する
君はあまりに特別だった
私に訪れる人がいても
君ほどに愛をくれたひとはいない
たぶんこれからも
目を閉じて深呼吸する
土とふれる潮の香り
ざざざ、と大きな波が訪れて
私から遠ざかっていった
そしてわたしも
振り返り足を踏み出した
訪れた波と同じだけ踏み出した
波が海へ返る
私は波に帰らない
ーーーーー
失恋しました
過ぎた日を思う
今を過ぎた私は過ぎた「今」を思う
螺旋のようにうねる長い長い一日も
最後は同じ日へ
私は見る
はじまりの一点を
今日病んでて書いたものなのでテーマ関係ないです。
続きはわからないです。誰か続き書いてくれませんか。
タイトル(未定)
花瓶があります。
ある時空の中を泳いでいた女神は雲の上にぽつんと置かれたその花瓶を見つけました。そしてその花瓶に土を入れ、水をやり、小さな苗を植えました。女神は微笑みながら小さな小さなその芽を見つめて口づけをします。彼女の知った最初の愛情でした。
あなたは、誰も知らない不思議な花をみつけます。
その花は大地と結びつこうと花瓶の中で日々根を生やし続け、空に向かっていつか蕾を咲かせようと毎日小さな体でお祈りを捧げていました。
普通の花よりも少しだけ成長がゆっくりしたお花でした。きっと他に花が並べば、それらが青々しく咲いたそのとき、花はまだ水の中で朝日を夢見るでしょう。そして他の花が散った時、ようやく朝日のあたたかさを知ります。その時感じる朝日は何とも穏やかで美しい温度でした。彼女は自分の可能性を信じていました。そしてそれがようやく叶った1日だったのです。
みずから目覚めて数日、彼女はまだ朝日をその瞳で見ることはありません。1日、2日、1週間、2週間と時間が流れても、風の音と朝日の昇降、時々訪れる虫のせせらぎが自分の周りを繰り返し回るだけ。他の花に話しかけても、安らかに眠るその冷たさがかすかに。届いてくるだけ。彼女はだんだんと不安になってきました。
それまで聞こえていた花たちの陽気な話し声は突然消え去り、びゅうびゅうと吹く冷えた風に乾いた香りが花瓶へ入っては出ていきます。彼女はその風をなんどもなんども数えました。びゅう、びゅう、びゅう、びゅう。音はやみません。
そんなとき彼女は他の花たちが話していたあることを思い出しました。
この場所から少し離れた小さな村に枯れた花も起き上がり、青々とした蕾が鮮やかに大地を彩る成花になる、生命の泉があるらしい。
彼女は凍える冷たさの中でそのひとことをお守りのように抱いていました。どんななかでも、諦めることはありません。希望を信じ、いつまでも耐え続けます。しかしあるとき彼女の耳に聞いたことのない声が聞こえてきました。
耳を澄ますとどうやら三人の獣がこちらに向かってくるようです。
そのやさしい心を同じだけ自分に返すのを忘れないでね